おなかがすいたら料理をつくり、あとかたづけに、へやのそうじ、退屈すれば話し相手に。なんでもできるロボットを連れて離れ島の別荘に出かけたお金持ちのエヌ氏。だがロボットはしだいにおかしな行動を…。博士の不思議な発明、発見が様様な騒動を巻き起こす。傑作ショートショート集。
2014年はこれまで殆ど読んだことの無かった国内SF作品を読もう、と決めて、Kindleストアでセールがある度に気になった作品をポチポチと買っているのだけど、ようやく1冊読めた。時間かかり過ぎた。
単純に、ショートショートっていう形式が苦手なのかも知れない。
といったパターンを踏襲した短編がたくさん収録されていて、個々にはもちろん面白い(ネコが飼い主の人間を「奴隷として使役してる」と異性人に説明する話なんかは最高に面白い)のだけど、本数が多過ぎる、各々が短過ぎるという点が苦手なのかなぁ。
この、どこかシニカルで、意味があるようで無いオチを持たせる構成を見ていると、森博嗣って本当に星新一という作家が好きで、とても影響を受けたんだろうなという感想を持った。
藤田晋、浅田一憲、大川弘一、南場智子、堀江貴文、孫泰蔵、尾崎憲一、本間毅、江端浩人、川邊健太郎。
1998年から2000年まで、飛ぶ鳥を落とす勢いだった若きIT起業家たち。
ITバブル崩壊、IPOブーム、ライブドアショックにリーマンショック。荒波のような経済環境の激変を経て、彼らカリスマたちはどうなったのか。
大成功した人、被告人になった人、組織の一員として頭角を現した人……。それぞれに直接取材し、ロングインタビューを敢行。
表紙でちょっと興味を持って読みました。
1998年-2000年当時の「若き企業家」時代へのインタビュー記事と、彼・彼女らの2013年現在のインタビュー記事が並列して掲載されているという、何というか、ニュースで話題になった人物の卒業文集を発掘して来て傷をえぐるような斬新企画。
1人1人のインタビュー記事自体は文章量もそこそこで、サクサクと読めます。
全員分を読んでみて思うのは、ITバブル当時に「ネット関係の仕事なら何でも請け負います、ウェブサイト制作からソフトウェアまでトータルソリューションです」って起業して、バブルが弾けると自社売却して大企業の役員になったような人が多い中で、やっぱり絶頂期にDeNA社長を後任へ譲って一線を南場智子、退いた元ライブドアで収監まで行った堀江貴文という2人は、この世代の成功者の中でも特に異質な存在ですよね。どこか達観しているというか。
サイバーエージェントやガンホー・オンライン・エンターテイメントみたいな、今では相当規模まで行った企業の萌芽期においても既に、あらゆる人が孫正義の後姿を見てネット業界でジャパンドリームを目指していた事が分かるというか、皆が皆、言及しまくってて、日本のネットベンチャーって根っこの部分はアスキーとソフトバンクなのだなぁと。
あと面白いなと思ったのは、プログラマからキャリアをスタートしてる人は、起業から10数年経って、大金を手にした筈が何故か痩せてるパターンが多いのが不思議ですね。
随分と長いこと「自宅にコーヒーマシン欲しいな~」って考えてて、「けど絶対に面倒くさくなって置物化するよな~」という点が心理的な壁になって、購入しないで居た。
しかしながらオフィスにコーヒーマシンが導入されると「カフェポッドやコーヒーカプセル方式でも充分美味いし、こういうのやっぱり欲しいわ~」と思い直してしまうのだった。
で、色々と検討してみたところ、ネスレはネスプレッソとは別ラインでドルチェグストっていうシリーズがあって、どうやらこいつのカプセルはAmazonでも購入可能(重用)だと分かった。ここで購入決断まで行ったけど、いざマシンラインナップを見たら沢山の種類があって、「うわぁ決めるの面倒くせぇ……。もぅマヂ無理」と心が折れかけたところ、なんと貯まっているスギポイントで「ジェニオプレミアム」というコーヒーマシンと交換できたのだった。選択する面倒さから解放された俺は、早速思考停止で交換した。ありがとうスギホールディングス。
B005RU1BRE
お洒落フレンチ・シューゲイザー・ブラックメタルバンドAlcestが再度来日、前回会場がスカスカだった名古屋にも来るどころか、今回は広島や京都まで回るらしい。しかも京都はライブハウスでなく寺で演奏するとか。意味が分からない。
チケットは前売り4,500円で確保済みだったのだけど、また何やら共演バンドが多そうだったので、色々思うところがあり、開場18:00に行くことはやめて仕事をこなす事にした。そして19:30頃に退勤して会場へ。
アンコールに応えて1曲やって1時間20分くらいで全て終了。
Alcestは複雑な曲構成が多く、1曲1曲の演奏時間も比較的長いのだけど、MCほとんど入れずにテンポ良く進んだせいか、思ったよりも早く終わったなぁという感想。
ハコが小さかった分だけ、程よく埋まってる感が出ており、なかなか盛り上がっていたように見えた。また名古屋にも来て欲しいね!
前々から読んでみたかった作品なのだけれど、ちょうどKindle版が紙の本よりも安かったので、こちらを買って読んだ。
9・11を経て、“テロとの戦い”は転機を迎えていた。先進諸国は徹底的な管理体制に移行してテロを一掃したが、後進諸国では内戦や大規模虐殺が急激に増加していた。
米軍大尉クラヴィス・シェパードは、その混乱の陰に常に存在が囁かれる謎の男、ジョン・ポールを追ってチェコへと向かう……彼の目的とはいったいなにか? 大量殺戮を引き起こす“虐殺の器官”とは? ゼロ年代最高のフィクションが電子書籍版で登場。
強烈な響きのタイトルから、「凄い触手ウネウネした地球外生命体に人類が惨殺されるんかな~」って勝手に想像していたんだけど、全然違った。
「テロとの戦い」以後の、個人への過大なトレーサビリティと引き換えに安全を手に入れた近未来の軍事世界を描いたフィクションと言えるだろう。アメリカがなおも強大な覇権と軍事力を持ち、各地で起こる紛争への介入を続けている中で、暗殺を担う特殊部隊に所属する主人公の葛藤や内面に切り込んだ作品だ。
SFよろしく気の利いた小道具が沢山登場するのだけど、極めてゲーム的というか、FPSやメタルギアみたいな作品が好きな人にはたまらないだろう。PTSDを防止するために感情を抑止し痛覚も都合良く麻痺させられたハイテク兵士達が、練度の低い少年兵を淡々と処理して行く様は、異様ながら読み進めずには居られない何かがある。
主人公と敵対する人物が「虐殺器官」を利用して世界中で紛争を起こす理由を語るシーンは、ある意味でミステリの種明かしがされたようなカタルシスがあり、それに続く結末も強烈な読後感を残すものだった。
とても面白く読んだのだけど、人物達の言い回しに色んな文学作品からの引用や、第二次世界大戦から対テロ戦争のエピソードが当たり前のように使われるので、「予備知識があれば、より一層楽しめる」というところよりも一段上に敷居が高いように感じた。『頭文字D』などのコミック作品から盛り込まれたらしきネタ(いわゆるオタクネタ)も散見されるが、僕は読んだ事が無いので良く分からないのだった。
福島第一原発作業員が描く渾身の原発ルポルタージュ漫画!
「いちえふ(=1F)」とは福島第一原子力発電所の通称。「F」は福島。「1」は第一。現場の作業員や地元住人は「フクイチ」ではなく「いちえふ」と呼ぶ──。
ハローワークから福島第一原子力発電所作業員の求人に応募した作者の体験を基にした原発作業員マンガ。
民家やタコ部屋に住みながら、6次下請け会社からの紹介で福島第一原発で働く作業員たちの活き活きとした日常が描かれる。悲観的なところは感じられず、親しみの強い福島弁も多岐に渡って登場し、楽しく読めた。もちろん楽観一辺倒という訳でもなくて、これから何年もかけて続く復興の困難さも十分に伝わる内容になっている。
内容は全然違うんだけど、カイジの地下チンチロ編が好きだったような人は、本作を非常に気に入るのではないかと思う。
気持ち良く晴れた休日だったので、あらかじめ前売り券を購入してあったベルギービールウィークエンド名古屋に行った。
昼過ぎに名駅から栄ミナミの歩行者天国を歩いて会場の久屋大通公園まで行ったところ、この時間帯から既に人が多かった。翌日からしばらく雨予報だったから、今日にした人が多かったのかも知れない(自分もそのクチ)。
どうでも良いけど名古屋のビールクズイベントは大概ここで開催されるのが定番になりつつある気がする。
ベルギービールウィークエンドには初めて参加したのだけど、
最初にもらったコインで3種類か4種類くらいのビールが楽しめるようになっていて、足りない人は都度コインを買い足したら良いようだ。個人的にはオクフェスよりもこの方式の方が好みだった。オクフェスはビールジョッキがでか過ぎて飲み切るまでにぬるくなるし、数杯飲むと酔いが回ってしまう。
どうせ会場で売ってるフード類は高いだろうということで、すぐ近くのモスでホットドッグとポテトを買い込んで行った。青空を眺めながらホットドッグとビールの組み合わせはとても幸せな気分になるので、モスは全国の店舗にテラス席とビールメニューを整備すべきである。周りではじゃがりこを持ち込んでる人も多かったかな。ちょっと羨ましかった。
僕はホワイトビールが好きなので、ヒューガルデンやヴェデットみたいに普段から買える以外の珍しい銘柄を飲んで回った。
会場では最初にもらったグラスを使い回してずっと使うのだけど、洗浄機があって、グラスを逆さまにして押し付けると水が勢い良く噴き出して漱げるようになってた。かっこ良いし面白かった。
なかなか楽しいイベントだった。定番化して今後も名古屋で開催されると嬉しい。
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不老不死が実現した日本。しかし、法律により百年後に死ななければならない――永遠の若さを手に入れた日本国民に、百年目の“死の強制”が迫っていた。自ら選んだ生の期限に人々は、恐怖する! 第66回 日本推理作家協会賞受賞作。
Kindleの半額セールで購入。非常に面白い大作だった。
SFではあるのだけれど、第二次世界大戦における「日本の敗け方」の時点から歴史が分岐してifの世界に入っており、現代の日本と良く似ているけど少し違う「日本共和国」が舞台となっている。
序盤は、不老長寿の技術が導入された国では必ず施行しなければならない「生存制限法」の日本国内版「百年法」成立を巡って奔走する官僚達を中心として描かれている。これがまた日本人の決められない性分が巧く描写されており、世界中で最後まで「生存制限法」が施行されていないのが日本だけだったり、アメリカに右へ倣えで生存期間は100年と決めてしまったり。
上巻から下巻にかけては、「ヒトは不老長寿を手に入れた世界でどうなるのか?」という問題に様々な人物の視点から切り込んでおり、とても考えさせられる内容に仕上がっていた。何と言うか、不老長寿が実現しても、若者ばかりが苦労を背負わされている辺り、現代の年金と全く同じで、どういう世界に在っても日本って日本なんだなと。
政治工作、国民投票、独裁者などなど、扱われているテーマは不老長寿以外にも面白いものばかりで、やや愛国心が煽られ過ぎの結末ではあるのだけれど、色んな人にお薦めできる一冊。
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