高校野球界のスーパースターがガソリンを全身にかけられ焼死するというショッキングな事件が起こった。たまたま事件現場に行き合わせた弟の進也と、蓮見探偵事務所の調査員・加代子、そして俺――元警察犬のマサは、真相究明に乗り出す。社会的テーマと卓抜な人物描写で今日を予感させる鬼才・宮部みゆきの記念すべき爽快なデビュー長編。
高校野球の本格派ピッチャーで将来を期待される投手・諸岡克彦が殺された事件を、探偵事務所で飼われている元・警察犬マサの視点から描かれている。
20年も前の作品なのに、現代的な青春小説としても、また、高校野球界の暗部に光を当てた社会派小説としても、ほとんど違和感を覚えることなく読めてしまうことが凄い。*1心理描写や人物同士の掛け合いも軽妙で面白い。
しかし犬視点で書かれなければならなかった必然性みたいなものは、最後までよく分からない作品ではあった。物語を通じて成長が描かれるという点でも、克彦の弟の進也が主人公でも良かったように思うなぁ。犬のマサが主人公のシリーズ物が幾つかあるのかな?
*1 もちろん、公衆電話といった、小道具面での現代とのミスマッチは少々ある。
来年3月に合併し、「あま市」誕生を目指す七宝、美和、甚目寺の3町による合併協定書調印式が2日、美和町文化会館であった。合併協議会でまとめた新市の行政について、3町長が合意した。今後、3町議会と県議会の議決などを経て、合併が実現する。
愛知でも群を抜いて異様なカッコ良さと迫力のあった七宝や甚目寺が合併して、平仮名で間の抜けた「あま市」になるなんて! ひどい! 残念すぎるよ。
だいたい、あま市の由来が「海部(あま)郡」だなんて、県外の人から見たら何のことか全く分からんだろ・・・。
関係者約270人が出席。近藤智・七宝町長、石塚吾歩路(あぽろ)・美和町長、村上浩司・甚目寺町長と、神田真秋知事が協定書に署名した
あぽろさん! 今からでも遅くはない、住民投票で合併協議を破棄しよう!
江戸川乱歩賞史上に残る問題作。7年の構想を経て、いま復活。
脳と精神と肉体と善と悪と神と愛と。
情報屋、統合失調症、精神科救急、連続爆弾魔、医療財団、関取、博覧会、記者会見、ケースワーカー、不安障害、神父、既往歴、拷問、ブローカー、天使、マグダラのマリア、救世主、絵画史、催眠術、白い帽子をかぶった牛、科捜研、ノアの方舟、イブ、電気ショック、捜査会議、マスコミ、DNA、フロイト、愛宕タイムズ
すべてを疑え、すべてだ!
乱歩賞を受賞した『脳男』の続編。7年振りの続刊となっているらしい(本書の発売は2007-12)が、僕は前作を読んだのが、つい最近だったので、間を置かずに『脳男2』を読めたことはとても嬉しい。
完治した筈の精神疾患患者を意図的に再度“壊して”犯罪者として街に放つ黒幕の正体を、前作の主要登場人物である鈴木一郎、真梨子医師、茶屋警部それぞれが独自の考えを持って行動し、物語を動かして行く。本作でも、前作と同様に精神疾患や脳医学への細かい薀蓄が登場し、それらを読むだけでも面白い。結末は、やはり前作同様、どこか少年マンガ的だという印象を持った。
通常、シリーズ物だと、初見の読者に向けてある程度の背景説明や人物の人となりの解説が入るものだが、『脳男2』では余りそういった配慮がなされていないので注意が必要だ。前作『脳男』を読んでいる前提で話が進むので、本作から読み始めたら何が何やらさっぱり分からないと思う。
これ、やっぱり『脳男3』もいつか出るんだよね? 続きが気になってしょうがない!
事前情報で散々「今回は伊勢湾台風並みになるぞ!」と聞かされていても、「へーどんなんだろうワクワク」と、さしたる危機感も無く台風上陸を前に眠りについたのだけど、いざピーク時刻が来たら、凄まじい振動でびっくりして飛び起きちゃったよ。強風で家が揺れるとかどんだけだよ。
斜め45度で世界を終わらせるかの如き暴風雨を見た時は、あぁ『創世記』でノアの方舟にみんなが逃げ込む場面はこんな感じなのかと切なくなったよ。
しかし何というか、災害情報ってまだまだテレビ、新聞、ラジオといった旧来メディアの独壇場だよなーと実感したなぁ。
全国各地の現状をパパッと映像で次々に切り替えていくテレビならではの臨場感は圧倒的だし、夕刊読んだら台風18号の時系列ドキュメントが整理されて書かれてて、「ほうほう、あの時刻にあの場所はこんなことが!」と感心しながら読んじゃったよ。
早朝にテレビつけた時にみのもんたを映してしまったことが一番の失敗だったな。あれはTBSかな。
ストリートビューの対象エリアを、旭川、富良野エリア、名古屋エリア、沖縄エリア、南西諸島の一部エリア、長崎、佐世保エリアまで拡大しました。
名古屋周辺を見てみたら、僕の住んでる美浜町も少し撮影対象に入っていたようです。有料道路からセントレアの近くを撮りに来たついでに立ち寄った感がひしひしと伝わってきて気分が悪いですね!
こんな中途半端なところを撮影するくらいなら、せっかく知多半島くんだりまで来たんだから他にも撮る場所あっただろうと思うね!
思い切り南の離島まで行って少し前に2chで話題になった篠島の墓地をくまなく撮って来るとか、名古屋の偉大なるベッドタウンである大府市や東浦町を撮って来るとかね!
僕が通っていた小学校もばっちり撮影されていて不思議な気分です!(><
10年くらい前にじーちゃんが亡くなって、去年にばーちゃんが亡くなったため、我が家では「じーちゃんばーちゃんの部屋」が空き部屋になった。だから時々、連休中などにかーちゃんが部屋を片付けて昔の写真を整理したりしている。
今日は、昭和2年発行の鉄道路線図が出て来た。大正12年のやつも一緒に出て来たのだけど、こっちは保存状態が良くないのであまり詳細には見られなかった。僕は路線図に萌えるタイプのスタンドではないのだけど、なかなか面白かったので写真を撮ってみた。
「鉄道旅行案内図(?)」という文字がばーんと表紙に登場する。ちなみに、同じシリーズの大正時代版は表紙も中も白黒だった。
昭和初期というと戦前なので、北海道の北東には「樺太」の2文字が!
馴染みのある中部地方のページを眺めると、さすがに現代と比べると駅の数は少ない。亀崎駅がちゃんとあったよ!
九州の路線図と見開きで、台湾の路線図も掲載されている。この頃は日本が統治していた時代だったんだなぁ。
最後のページには朝鮮の路線図と、さらに隅っこに沖縄の路線図が載っていた。
観光ガイドらしき本に載っているということは、当時は内地からこういったところへ行く観光需要もあったのかな?
あと、じーちゃんが死ぬ5日前くらいにばーちゃん宛てに書いた手紙も出て来て、「いつも味噌汁をつくってくれてありがとう」みたいなことが書かれていてグッと来た。
僕のじーちゃんは戦中は満州へ行っていて、戦後は中学の教師をやっていて、とても厳しい人で、中日ファンで、株もやっていて、日記が好きで死ぬ3日前まで物事を書き記していた人ということまでは知っていたんだけど、今日はじーちゃんが鉄道旅行好きだったことが新たに判明したのだった。
10年以上一緒に暮らしていたのに、自分がどこへ行ったというような旅行については、ほとんど話していなかったなぁ。
▼ かわはら [レッツゴー鑑定団]
カイジの実写映画版である『カイジ 人生逆転ゲーム』をユナイテッドシネマのメンズデー(1,000円)を利用して観て来た。
カイジの原作はコミックスで追っている。実はパチンコや麻雀の話が引っ張り過ぎて原作はちょっと飽きてきている。
映画のキャストが発表された際に「カイジがイケメン過ぎるだろ!」という声は当然あって、僕もそう思っていた1人なんだけど、カイジの演技はすごく良かった。特にコンビニのバイトでやる気が無いところとか本当にダメカイジという感じ。
なかなか面白い映画だった。
「あたし殺されたの。もっと生きていたかったのに」。通り魔に襲われた十七歳の女子高生安藤麻衣子。美しく、聡明で、幸せそうに見えた彼女の内面に隠されていた心の闇から紡ぎ出される六つの物語。少女たちの危ういまでに繊細な心のふるえを温かな視線で描く、感動の連作ミステリ。日本推理作家協会賞受賞作。
女子高を舞台に、学校の保健室の先生である神野菜生子が日常のちょっとした謎を解いて行く短編が折り重なって、最後に通り魔に襲われた女子高生についての解釈が物語りに浮かび上がってくる連作短編集。
読後に少し微笑ましい気分に浸れる短編が多く、サクサクと読み進めることができる。どのエピソードも探偵役となる神野先生のことは同僚の先生や学校の生徒など、第三者の視点から描写されていて、一歩退いた立ち位置からしか関わらないことが多いのだけど、最後の最後にこの神野先生の、ものすごく人間臭いところが描かれて彼女の魅力が爆発する。ラストの終わり方もニヤニヤが止まらない。神野先生の幸せを願わずにはいられなくなる作品である!
女性作家というとこれまで篠田節子や宮部みゆきなどを専ら読んでいたのだけど、この加納朋子という人の文章は軟らかで年頃の男の子女の子の心理描写も巧みで、初めて読んだけど大変面白く読めた。他の作品も是非読んでみたいと思った。
「J・Mを殺したのは誰か?」。私が読んだ患者の原稿は、その一文で結ばれていた。解決篇の欠落した推理小説のように…。J・Mは、自分より醜い怪物を造るため、5人の子供に人体改造を施した異常な科学者。奴を惨殺したのは、どの子供なのか?―小説家の私と探偵の彼が解明する衝撃の真相!(表題作)夢現、狂気と正常を往還する物語。読者はきっと眩暈する。
入院中の精神病患者の手記や、精神病患者の書き上げたミステリ小説などをテーマに3作を収録した中篇集。
どの物語もかなり凝った構造になっており、終盤になると「そういうことか!」というカタルシスが味わえる半面、あまりにも複雑な構造になり過ぎてクエスチョンマークが浮かんだまま終わってしまっているがっかり感も強い。
個人的には、新本格で括られている人たちの「この舞台はあの有名作品へのオマージュで、このトリックはあの名作のパロディなんだぜ!」みたいなあとがきが苦手なんだけど、この作品は特に饒舌に語ってる印象があった。読み終わってから待っているあとがきのボリュームが、もうお腹いっぱいですとしか感想が出て来ない。
最近のツッコミ
参号館 日記(ariyasacca)
▼ かわはら [せめて「海部市」だよなあ・・・。]
▼ 雷悶 [順当に決めたらそうなるよねぇ。]
▼ 南セントレアヌス帝 [南セントレア市はまだですか。]
▼ 雷悶 [よく考えたら、地理的には南あま市でも嘘にならなりませんね。]