ブラックゲイズというメタルのサブジャンルを確立したフランスのバンドAlcestの来日ツアー名古屋公演へ行ってきた。コロナ禍でキャンセルになってしまった日本ツアーのリベンジ公演、しかもサポートアクトとして日本のAlcestフォロワーとも言えるバンド明日の叙景が帯同とあっては行くしかない。明日の叙景、2023年に結束バンドと同じくらいリピートしたアルバムで大変気に入っていて、Alcestと一緒に鑑賞できるとあってはお得感がすごい。
会場は大須にある行き慣れた名古屋RAD HALL、と言っても前述のとおり、コロナ禍が開けてもライブが再開されたのは中~大規模のアリーナクラスが先行しており、ライブハウスに行くのは僕も本当に久しぶりであった。RAD HALLは半地下にあり、縦に長いのが特徴で、スタンディングフロアに柱などが無いから音の抜けが大変にいいハコである。
この日は東海地方で記録的な大雨(愛知県の津島市や三重県の桑名市では冠水)となっており、チケットは発券したものの行けるか心配であったが、運よく折り畳み傘を使うことなく往路・復路とも移動できた。
チケット代は前売り券8,800円 + 当日ドリンク代600円。2012年に行ったAlcestの初来日ツアーが3,800円だった事を考えると、世界的なインフレ・ユーロ円レート・人件費や光熱費の高騰が全て反映されてるのを実感する。今回の興行主がLOUD PARKなどでお馴染みのクリエイティブマンだから、という点も価格に影響しているかも知れない。その代わりプロフェッショナルなスタッフが帯同しているのか、バンド交代時の待ち時間も30分無かったくらいでむちゃくちゃありがたかった(メタルバンドのライブでは、これに1時間かかることもザラにある)。
まぁ僕はいい歳したおじさんであるため、これくらいは出すけど、学生さんには学割などで生演奏に触れる機会を増やしてあげて欲しい気はする。そういえばドリンクチケットは強い意志をもって水かウーロン茶にするぞ、と思っていたのにキリンのビールと交換しちゃった。やっぱり600円払ったら酒にしたくなる。
入場時に気付いたのは、チケットをもぎるのではなく、スマートフォンの画面を見せて通る電子チケットの人が結構増えていた(ざっくり半分くらい?)こと。時代だな~。単にコスト削減なのかも知れんが。ライブや劇を鑑賞した際の半券を記念に取っておく、って文化もそのうち無くなるのかもしれないね。
ということでオープニングアクトは日本のバンド明日の叙景。見るのは初めて。ブラックゲイズ + 日本のサブカル(アニソン風J-POPやヴィジュアル系)が程よくミックスされた雰囲気が海外でもウケてるのか、海外ツアーもやってるらしい。
もうすぐ3rdアルバムがリリースされ、10月に単独ツアーで名古屋にも来ますってMCがあって、行こうかなぁって思うくらいにはライブめっちゃ良かった。ヴィジュアル系の影響ありつつ、全員ファッションがもっさい黒シャツで、デスメタルやブラックメタルなルーツを感じさせるところも好感。曲もキャッチーだし、そのうちアニメのタイアップとかも取れないだろうか。頼むぞソニーグループ。
ステージの交代が完了してAlcestの出番になると、一層の客入りで、200人くらいは入ってるようだった。当日券も販売してて、それで仕事終わりに見に来た会社員メタラーも多かったようだ。
本当に言って良かったな~というライブだったのと、入場時から4~5時間立ちっぱなしになるスタンディングのライブって案外40代のおじさんになっても大丈夫だったなという気付きがあった。体重50kg台まで落とした恩恵がでかい気がする。50kg台をキープしてぇ……。体力が持つうちに色々見に行きたいなぁ。
ブラックゲイズのライブって、他のブラックメタルやメロデスのライブと違って、ツーバスドコドコ疾走パートになってもサークルモッシュ起きないし、まったり鑑賞できておじさんに優しい気がするわ。轟音の洪水にただ身を任せてまったりできて良かった。もう暴れ回るライブは身体が持たんのじゃ。
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