ヤフー株式会社にあった「公式カメラ隊」の発足から解散までを振り返った退職エントリを読んだ。
書き手である隼田さんという人は、ヤフー時代から通算19年会社に在籍し、2025年4月にLY社を退職していたそうだ。キャリアとしてYahoo!ニュースから始まってコマース系サービスを移り歩いてたとあり、僕のキャリア(地図系サービス、検索サービス)とは全くかぶっていなくて直接の知り合いではない。でも仲良かった同僚の中に「公式カメラ隊」の隊員として活動していた人は数名いて、知り合いを1hop辿るとカメラ隊の隊長だったこの人に行き着くのだろう。活動内容の裏側について細かく書かれていて、とても面白く読めた。
IT業界の退職エントリって「こういう経験をしてきました」「あの仕事やったのは俺」みたいなギラギラした内容が多くて結構苦手なんですよね。「会社での生活を振り返った書き物を読むつもりで開いたのに何で急に転職エントリーシート見せられてるの?」みたいな。僕は自分の退職エントリを書くときも、アレオレ詐欺な要素が出ていないかという点に気を遣った。別に実績アピールするのが悪いと言ってる訳ではないですよ。納得できる条件で転職する際には絶対必要なものなので。ただ僕の日記は未来の自分が読むために書かれているから、自分が苦手な内容を残したくないのです。
で、このカメラ隊の顛末記には、実績アピール要素が薄くてとにかくこの業務外活動が楽しかったんだなっていうことばかり伝わってきて、とても好きだ。最終キャリアとして本部長まで勤めてた人らしいので、年収だって僕の倍以上もらっていても不思議ではないのに、書かれている内容からは1ミリも「金の匂い」がしないのも素晴らしい。既にエイチ・ツー・オー リテイリングに転職しているからなのか、退職後1年経っているからなのか、金の匂いがしない理由までは僕にもわからないけど。
ヤフーという会社はあちこちで社員が業務外の「勝手活動」してる組織で、ソフトウェアエンジニアだと多いのは勉強会の開催とか、業務上の困ったことをちょっといい感じに解決する「勝手ツール」実装なんかだろう。ヤフー株式会社における勝手ツールの最大手が公式チャットツール化したMYMだとすると、勝手活動の最大手はこの「公式カメラ隊」か「公式アナウンス部」辺りじゃないか。アナ部が部門化してLY社になっても残っているのに公式カメラ隊は解散しちゃったの何故だろうと不思議に思っていたことが、この退職エントリで疑問解消した。勝手活動っていうのは、初期衝動を持っていた発起人のような人が去ってしまうと引き継げず終わってしまうものが多いのだ。公式カメラ隊の供養エントリとも呼べるこの退職エントリでは、ちゃんと「終わらせ方」まで書かれているのが見事だなーと思った。
個人でやってるOSSなんかも勝手活動のようなもので、作者のやる気が無くなったら自然消滅が既定ルートなんだけど幸いにも僕は第三者メンテナに引き継ぎが概ね達成できた。久しぶりにリリースノートを見てみたら、僕のくそショボ英語力で書かれていた時とは全然ちがった充実の内容になって、リリース頻度も爆速化してる。OSSの引き継ぎも退職パッケージ1円も貰えなかった会社員生活からの引退も、もっと早く決断して動けば良かったなと思わなくもないが、こればっかりは自身のメンタルなども関係していたし、今となっては仕方ない。
隼田さんの退職エントリの最後で心に残った宮坂さんの言葉が紹介されていて、
- 才能と情熱を解き放つ
- 脱皮しないヘビは死ぬ
- 迷ったらワイルドな方へ
やっぱり皆、憶えているフレーズって似たり寄ったりになるんだなと納得したのだった。才能と情熱を解き放つ、たしかに宮坂さんが社長就任した際にメッセージとして発信していたのを僕も覚えているし、いい言葉だ。宮坂ヤフーでこういう人たちと一緒の時代に一緒の会社で楽しく働けたのは本当に幸運だったし感謝しかない。
公式カメラ隊、僕は社員証用の写真を撮ってもらうとか、勉強会の記念写真を後日もらう程度でしかお世話になってなくて接点少なめだったけど、両国国技館の社員大会は本当に今も鮮明に憶えていて、バズーカみたいなレンズを構えたカメラ隊の人があちこちに居て、「ああいうカメラ持ってる人ってコミケ以外にも居るんだ!」ってビックリしたな。趣味で部門を超えて繋がれる会社って素晴らしい。こういう社員の勝手活動を認めてくれる会社が増えると、日本はもっと働き易くなると思う。
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