第一報を知ったときは移動中だったこともあって、「あぁ亡くなったのか、大変なことだなぁ」くらいの受け止め方だったのに、数日経って結構ショックを受けている。あまりメディアに出る人でなかったためか、少年ジャンプ公式サイトに掲載された各氏からの追悼文を読んで人物像にリアリティを感じたのかも知れない。中でも尾田栄一郎氏の寄せた
漫画家に限らずあらゆる業界で活躍するクリエイター達の少年時代にドラゴンボール連載当時の興奮と感動が根付いているでしょう。その存在は、大樹です。
同じ舞台に立った僕ら世代の漫画家にとって鳥山作品は近づく程により大きな存在と気づかされました。怖いくらいに。でもまた、飄々としたご本人に会えるとただ嬉しい。僕らは血液レベルで鳥山先生が大好きだから。
が非常に刺さってしまい、すごく悲しくなった。そうか、血液レベルで刻まれた存在だったのか。
鳥山明氏の創造するコンテンツとは、
という関わりであった。
地方紙の中日新聞も地元の英雄だからか、連日アシスタント経験者や母校(一宮市の高校に通っていたそう)関係者にインタビューした記事が掲載されていて、『Dr.スランプ』や『DRAGON BALL』を毎週掲載しながら趣味のプラモデルやバイクにも全力で熱中していたらしい超人ぶりが窺えて、すごい人だったんだなぁと今さら感銘を受けている。
大体、週刊連載って過酷としか聞かないのに、アシスタント1人体制でずっと描いてたって一体どうなってるんだよ……。もちろん絵の密度は令和時代の現役作品の方が各段に上がっているのは間違いないけど、『DRAGON BALL』で手抜きしてるコマなんて見た記憶が無かったよ。沢山出ているなろう系コミカライズ作品なんて、原作もキャラ原案も作画と違う人なんてザラなのに、ストーリーとキャラクターを創りながらジャンプ黄金時代に毎週掲載していたのはあまりに偉業過ぎる。あと、鳥山明を知る人が、氏のことを全く誰一人悪く言わないのもすごい。元アシの人も「鳥山先生から怒られた経験が無い」って言ってるくらいだし。Dr.マシリトなんて記事が1つ出ると、必ず5対5で賞賛と悪口が付くのと真逆だよ。リアル聖人だったのか。
いやー。X(旧Twitter)でも色々な漫画家の人が反応しているのを見て「鳥山明っていうひとつの時代が終わったんだなぁ」と、思ったよりショックを受けてしまった。集英社から見たら社葬を大々的に行ってもいいくらいの功労者だと考えられるけど、ご本人や家族の方はあまりやって欲しくない意向なのかね。清須市とか名古屋市で執り行われるなら参列したい。
あらためて思ったのは、ただのセガファンだけど任天堂株式会社の定時株主総会へ行って生の宮本茂氏が動いて喋るところを見られたのは本当に良かったな。比較的メディアにも露出する人だけど、やっぱり対面で見ておくのは大事だ。ゲームプログラマーとして本気で尊敬している岩田聡さんが社長だった時に株主総会へ参加する発想が自分には無かったのが悔やまれる。まぁ当時は任天堂の株を1単元持つことなんて遠すぎて無理だったんだけど。
現人神を生で見られる機会があるなら、行くべきなんだよ。これまでの人生で漫画家のサイン会などを意識したことが無かったんだけど、チェックしてみようかなぁ。
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