フィンランドの国民的メランコリック・メタルバンドAmorphisの、ニューアルバム発売に伴う日本ツアーの大阪公演を見てきた。
チケット料金は7,500円 + 当日のドリンク代600円。2010年代後半のチケット相場としては普通の価格。
自分は午後半休を取得し、14:00頃まで仕事をしてから東海道新幹線で大阪へ。開場までやや時間が余ったので、ハッピーアワーをしているバーに立ち寄ってビールを飲むなどして過ごす。CLUB QUATTROのバーカウンターで出されるアルコールは発泡酒だと学習済みなのだ。
チケットの整理番号2桁だったこともあり、18:00の開場からすぐに入場し、2階席のテーブルを確保できた。前日の東京公演では渋谷CLUB QUATTROでソールドアウトだったとのことで、この日の大阪公演での梅田CLUB QUATTROも、なかなかの大入り。開演直前になると1階フロアは2階席からはギュウギュウに見えた。600人は入っていたのではないだろうか。
Amorphisも何らかのフェス出演も含めると2年に1回くらいのペースで来日しているので、着実にファンが増えてるんだな~と感じる。
時間どおり19:00過ぎにステージが暗転してメンバーが登場し、アンコール含め全17曲1時間45分ほどの大満足な内容だった。
セットリストは最新作(にして最高傑作!)のアルバム「Queen of Time」と、前作「Under the Red Cloud」からの選曲だけで半分以上を占める構成。ファンの熱量も相当に高く、最新作からの「Message in the Amber」「The Golden Elk」「Wrong Direction」などはMCで曲名を伝えられた時点で大歓声となり、イントロのギターメロディに対してフロア前方でシンガロングが起きるほどの人気ぶりだった。
現任ボーカルであるトミ・ヨーツセン期の代表曲とも言える「Sky Is Mine」「Silver Bride」「The Smoke」「House of Sleep」もライブの定番としてしっかりセットリストに入っており、とくに色気のある演出からThe Smokeのギターイントロに入って行くところはカッコ良かった。攻撃力あふれるグロウルと繊細なクリーン声を頻繁にスイッチしても全くヨレないトミ・ヨーツセンは上手過ぎるでしょ。MCも短いながらも簡易な英語で聞き取り易いし、バンドの主語として必ず「We are Amorphis from Finland」と表現している点が、やはりフィンランド人である事は、彼らの創作を支えるアイデンティティなのだなぁ印象に残った。
ここ10年ほど名作を連発しているAmorphisの作曲面でキーマンとなるリードギターのエサ・ホロパイネンとキーボードのサンテリ・カリオは、どちらも派手に動き回ることは無いものの、キッチリとソロフレーズをキメてて、見ていて面白い。新作のフルート音源もライブではシンセの音色で再現してるのが見て取れた。エサ・ホロパイネンは長身ギタリストなので、端に留まってAmorphisらしい単音リフを奏でているだけで絵になるね。
リズムギターのトミ・コイヴサーリとベースのオーリ=ペッカ・ライネも、曲によってはグロウルをサポートし、メンバー全員に役割のあるバンドという感じでとても良かった。
演奏陣の音作りも分離が良好で、楽曲の要であるギターとキーボードの音色もしっかりと聴き分けられたし、ドラムのヤン・レックベルガーも、手数を要求されるタイプの音楽ではないものの、アタック音を明確に打ち分けていて、客席からも工夫がよく分かる全体のチューニングになっていた。
Amorphisの人気の高まりを支えているのは、近年のアルバムに収録される楽曲がとにかく素晴らしく、かつ日本人ウケもするメロディだというところが最大の要因だと思うのだけれど、そこに囚われず初期の楽曲を常に最新アレンジで演奏する点もこのバンドの特徴で、アンコールのラストが初期も初期の「Black Winter Day」で締められたのは意外であった。物悲しいピアノ・イントロと、サイケデリックな空間演出、美しいグロウルとクリーンの歌い分け、今でも全然通用する曲だもんなぁ。
この日は宿を取っておらず日帰りの遠征で、ライブ終了後に新大阪駅へ着いてみたら、まさかの東京方面のぞみが大幅遅延 & 本数減。何でも山陽新幹線でのぞみ先頭車両に人がぶつかったとか。何それ怖い。
ホームの駅員さんに聞いてみると、新大阪発の名古屋行きこだまならば、ほぼ定刻通りの運行と言われ、こだまにするかのぞみを待つか、どうするかな~と悩んでいたら1時間遅れでのぞみが入線してきて、そちらに飛び乗った。車内すし詰め状態だったら嫌だな~と思っていたら、予想に反してガラガラであった。途中停車の京都駅からもほとんど乗車してくる人は居なかったから、皆あきらめて宿を確保していたのかな。
今の人気ぶりだったら、名古屋CLUB QUATTROでも十分埋まるでしょ~。頼むから次回来日ツアーがあるなら、名古屋飛ばさないでくれ~~~。
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