明け方に実家から電話があり、母方の祖母が亡くなったと聞かされた。2ヶ月ほど前から具合が悪くなって入院しており、先月に見舞いに行った時も、確かに余り元気ではなかった。しかし、これまでも短期間入院しては退院を繰り返しており、今回も良くなって家に戻って来るものとばかり思っていたので、非常に驚いた。病人の容体は、良くなる時は緩やかなのに、悪くなる時はあっという間だ。
夜に高速道路をとばして実家へと帰る車の中で、ハンドルを握りながら色々なことを考えた。僕の人生の中で、祖母とは20年くらい生活を共にしている。けれども、意外にも冷静に受け止めていた。もちろん亡くなったのが両親だったら、もっと取り乱していただろう。
家に着いて、玄関に見慣れない「忌中」の2文字を見たときに、ひどく非日常を感じた。仏間に冷たくなった祖母が居た。約10年前に祖父が他界した時は鼻に詰め物があったと記憶しているが、祖母の顔は綺麗になっていて余計な詰め物は無かった。医療技術の進歩かもしれない。しかし夏場で遺体を長期間置いておくことは難しいため、明日の通夜に先だって火葬場へ行くとのことだった。
とにかく容体が悪化したのが急だったため、誰も祖母の死に目に会えなかったそうだ。「お疲れ様」と手を合わせた。
その日は仏間に布団を敷いて、祖母の近くで皆で寝た。犬も一緒だ。うちは家族の仲が良いのだ。
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