名鉄沿線住民でもあるため、これの雑感です。
同日記者会見した名鉄の高崎裕樹社長は「工事の応募参加者から、人材確保難により現計画の解体と施工が困難として11月下旬に入札辞退届が出た」と語った。「現計画のスケジュールを今回全て未定に変更する」とした。
ほんの2週間前にありがとう名鉄バスセンターのイベントやってたことからも、名鉄の社長が会見で話していた内容は事実で、かなり急転直下の入札辞退だったのだろうと推察される。完全に後出しのたらればだけど400mもある名鉄の名古屋駅新ビル構想をコロナ渦で撤回せず、当初予定どおり着工していれば2027年開業できていたのに。この辺が梅田エリアの再開発が順調に進んでいる大阪と、名駅エリアがなかなか発展しない名古屋の差なのかなぁと思ってしまう。
文字のニュース記事だけだと雰囲気が伝わらないと思い、一次ソースとして名鉄の高崎裕樹社長が会見した動画ニュースも視聴した感想としては、悔しい感情はにじませつつも、どこか他人事というか他責思考っぽさが出ていて、現場の社員の士気に悪い意味で影響しそうに感じられた。「想定しない環境の変化で」的な言い回し、こういうのは本当によくない。社員に好かれる社長だからと言って必ずしも株価が騰がる訳ではないが、少なくとも士気を下げる人よりも士気を上げる人の方が会社にとっては好ましいだろう。
名鉄の株主優待制度は他の私鉄会社と同様に、所有株数が多いと全線乗車証が貰えるため、一時期は真剣に保有を検討したこともあったが「冷静に考えると鉄道なんて1年で数えるくらいしか乗らんな」と思って見送っていたから助かった。
過去に日記で社長が変わると会社の制度が変わるって書いたことがあった。
これ、新卒で入った会社(鉄道会社の系列システム会社)では、社長というのは「親会社である鉄道会社の役員が経験を積むために数年間出向してくる役割」だったので、彼らのモチベーションは「出向中なるべく大きな失敗をせず過ごして再び親会社に戻り出世コースを歩む」という感じだった。だから社長とかその他役員が交代したところで、会社に大きな変化は無くて、自分もそれが普通だと思ってた。
色々あって入社した現在の勤め先では、かれこれ3回くらい社長が変わっていて、その度かなりダイナミックに制度も変わるので凄くびっくりした。「え、こんなに変えていいの」とカルチャーショックであった。鉄道業界よりも変化が早い業界だからか、変わる時は思い切り変わる。フルリモートの働き方に舵を切った時の決断も素直にすごいなと感じた。
(もう過去に勤めていた社名を明かしたから出してしまうけど)この話はヤフー時代の宮坂さんや川邉さんに社長が若返ったときの変化についてのことで、会社員時代の経験から割と 「社長が若返りしている会社に注目する」というのは、自分の投資哲学のひとつ になっている。僕も中年になって自分の選択や決断がどんどん保守的になっているのを実感していて、日本でリスク取った決断をできる上場企業の社長って、創業社長か年齢の若い社長だけではないかと強く思っている。
今や日本もインフレ社会に突入しており、一部の相場で決まるケースを除き多くのモノやサービス価格、設備投資の案件であっても 「今がいちばん安い」時代 なのだ。僕の部屋で買ったまま開封されていないPS5やSwitch 2だって、昔の家庭用ゲーム機と違って量産効果で徐々に値下げされるとは限らない。来年には値上げされているかも知れない(はよ開封しろって話はここでは置いておいてください)。
Switch 2の話を出したので任天堂のことを書くと、あの会社は創業家出身以外の社長で2回も大きな若返りを果たしている(岩田聡氏、古川俊太郎氏)のが非常にすごくて、類を見ないエクセレントカンパニーだと思っている。株主総会に参加して古川氏が「Swtich 2では大きくリスクを取って生産ロットを増やしている」と回答していたのが印象的だった。AIデータセンター投資ブームに伴うDRAMやNANDフラッシュメモリの高騰でいつかは任天堂の家庭用ゲーム機ビジネスで利益率が苦しくなる可能性はあるが、今のところ順調にハード売上が立っているのは、最初にリスク取っていた経営判断のたまものだと思われる。中長期で見て恐れずリスク取れる人って40代までくらいでないか。サイバーエージェントも次期社長として40代の人に変わるらしいので注目している(買いポジションは持ってません)。ターミナル駅の再開発って案件も、決断力が問われるビジネスだから、若い人に白羽の矢を立てるのがいいのではないかなぁ。名鉄社内にそういう人材が居るか、部外者の僕は知らないですが。
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