ライブ遠征のついでに滞在している豊田市観光の続き。
と言っても、この日は夕刻からライブ会場へ行かないといけないし、朝から雨が降ったり止んだりで、あまり行動できなかった。
とりあえず傘が無くても行動できる豊田市駅のあたりをうろうろしてみるかと駅周辺へ行って、屋根伝いで辿り着ける施設に図書館があると知った。
入り口にはデカデカと「豊田参合館」と書いてあり、そういえば僕がこのWebサイトを作ったときに「ややこしい名前やドメインを使うな!」と怒りの声が届いたことを思い出した。あの参合館ってこれか! でも当時のGoogle先生が検索アルゴリズム適当でSEO(笑)業者に好き放題やられてたのが悪いのであって僕のせいじゃないし。たぶん。僕は悪くない(球磨川禊くんの目で)。
5フロアくらいぶち抜きの豊田市中央図書館に加え、能楽堂やコンサートホールも入居しているらしい。ご、豪華すぎる。これがトヨタの納める法人税が支える文化資本先進都市か。
こういう図書館があるところに住みたいンゴねぇ。
朝から何も食べてなくてお腹が減ったなと思い、T-FACEなる百貨店なのかショッピングセンターなのか、ちゃんと理解できていない施設へ。
フードコートのようになっている矢場とんとか名古屋メシ系の店が集まってるエリアは家族連れでごった返していたので、かなり空いてる「米と味噌と挽肉と」なる店にふらっと入った。
半生のレアハンバーグと、自分で選べる味噌玉と出し汁で作る味噌汁が看板メニューのようだった。半生の肉は怖くてライブ前に食べたくないため、しっかり火の通ってる合挽ハンバーグの定食をオーダーした。前夜のコメダ珈琲店みたいだった町中華ドカ盛り定食とは打って変わって、こっちは女性でも物足りないのではないかと思えるくらい少ない印象だった。まぁライブ前だし軽く食べられればいいや。
とくに観光施設へ行くこともなく、T-FACE内の本屋や休憩スペースで時間を潰して過ごしてしまった。いや天気がね……。ライブ前の時間には運よく晴れてきて助かった。
ヘヴィメタルの代表的バンドであるIron Maiden(通称:メイデン)のワールドツアー「THE FUTURE PAST TOUR」の愛知公演に行ってきた。
もともと行く予定は無かったのだが、同僚氏がアリーナ前方スタンディングのチケットを(30,000円)入手できて、確保済みだった指定席チケット(18,000円)を譲ってくれることになった。
チケットぴあ使ってなさ過ぎて、ログインしたら2020年にIron Maidenのワールドツアー横浜公演2 daysを払い戻し手続きしたのが最後で、切なくなってしまった。ぴあって以前はこういうチケットの譲渡や売却は「Cloak」ってサービスでやってた記憶があるけど、2024年現在は統合されたのね。知らんかった。
同僚氏の発行した譲渡用ワンタイムURLみたいなものを踏んで引き取り手続きをし、チケット代は別途PayPayで送金した。この辺のやり取りもキャッシュレスが浸透して随分と楽になったなぁ、などと実感した。
会場のスカイホール豊田って全然聞き覚えの無い施設で、どうも市の運営する体育館らしいのだけど、「なんでメイデンのライブが体育館で?」と不思議ではあった。
開場時間前のスカイホール豊田に着くと、既に世界中のメイデンファンが集結しており、大変な行列であった。
入場前にお茶でも買っておくかと近くの自販機にお金投入していたら、地元のおっちゃんに「今日ってこれ何ですのん?」と話しかけられ、「有名な海外バンドのツアーが云々」という会話をした。おっちゃん曰く「こんなに人が集まってるのを見るのは初めて」だそうな。そりゃ地元の人からしたら、黒いバンドTシャツの集団が急に現れたら宗教的儀式みたいで怖いよな……。
トヨタ系企業で働くブラジル系の人が多いのか、ブラジル国旗を掲げて「メイデン! メイデン! メイデン!」と開場前から大合唱していて、すごい熱気だった。僕も待機列に並んでよく観察してみると、ツアーTシャツでも日本仕様のシャツの人と、1週間前にギグのあったニュージーランド仕様の日付が入ったシャツの人が居ることに気付いた。ニュージーランド公演も行ってたらしき人たちは、ワールドツアー全部追っかけてるファンなのか、円安の日本がお得すぎるから日本公演だけ遊びに来たのか、僕にはよくわからないが、さすがはIron Maidenの集客力である。
開場時刻になって入場すると、スカイホール豊田はかなり立派な施設であった。ここでも豊田市の財政力を見せつけられる。
メタルのライブで指定ありの席って初めて(普通はオールスタンディング)だったんだけど、僕の譲渡してもらったB席(A席というのがスタンディングで、ブロックごとに区切られてるみたい)というのは、スタンディング後ろに並んだパイプ椅子のことであった。椅子があってもライブが始まるとみんな立ち上がるから、実質スタンディング指定席(?)みたいな感じである。幸いB席の最前近くで、D席やE席といった後方だと多分ステージがよく見えなかったと思われるので、良席を譲ってもらえて感謝である。
このTHE FUTURE PAST TOURは、最新作『Senjutsu(そのまま日本語で戦術の意味らしい)』と80年代の名盤『Somewhere In Time』をフィーチャーした構成らしく、ぶっちゃけ僕は最新作を全く予習していなかったため、半分くらいは知らない曲であった。よくよく考えればApple Musicに課金しているんだから予習して行くことも可能だったんだけど、もうメイデンは新作チェックしてないのよね……。中止になった横浜公演のLegacy of the Beastツアーだったら黄金期のクラシックナンバーだらけで構成されてたみたいだから、もっと楽しめた気はするが。でも往年の名曲Heaven Can WaitやWasted Years、そして高校生の頃から何百回も聴いたFear of the Darkも生で見れて、本当に嬉しかった。1番好きなナンバーAces Highがセットリストに入ってなかったのは残念だが。
フロントマンであるブルース・ディッキンソン、66歳なのにステージ上を走り回ってマイクスタンドは蹴りまくって、声むっちゃ出ていてすごかったな。
リーダーのスティーヴ・ハリスなんて68歳なのにフィンガーピッキングでブイブイとベースを鳴らしているし。体力あり過ぎる。
そしてメイデンの最新作を追ってない僕は、現在のバンドがトリプルギター編成であることも、今日この会場で初めて知ったのであった。ちゃんとそれぞれにソロパートの見せ場がある曲構成がさすが。メイデンって正統派ヘヴィメタルの代表的存在のように語られがちであるものの、こうやってライブで見ると、長尺でリズムチェンジも多めに入る曲が多いし、様式美というかプログレッシヴというか、難しい楽曲でこれだけ世界中から愛されているのはすごいな。僕のようなメロスピ厨が好むAces HighやThe Trooperみたいな短くて疾走してる曲の方が珍しいのかも知れん。
ステージセットにもお金かかってそうだし、火柱もバンバン上がっていたし、楽しいライブだった。しかし世界的な知名度のあるメイデンだし、インフレも円安もあって仕方ないとはいえ、学割チケットで10,000円とかはご用意できなかったのかねぇ。18,000円はさすがに学生の頃に見に行く気にはなれなかった気がするし、ましてやスタンディング席30,000円はちょっとなぁ。
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