インタフェースの設計ミスで人命が失われてしまう事例や、ユーザーに目的のタスクを達成させないようにする「ダークパターン」など、多くの失敗例やアンチパターンを解説した書籍。
日本ではデザイナーの担当する「デザイン」と聞くと画面の配置や色付けに代表されるスタイリング領域が想起されがちだが、この本はインダストリアルデザインのような産業機械のインタフェースや、ソフトウェア設計まで含んだ本来の「デザイン」について議論している。
FacebookのLike(いいね)に一義的な意味が持たれる訳でないという解説には、はてなスターやTwitterを連打してくる人の存在を考えても「確かにそうだな」と思うし、アクセシビリティやユニバーサルデザインに対応することは障害を持った人以外にも役立つというのも、例えば健常者であるiPhoneヘビーユーザーが意図的にAssistiveTouch機能をONにして使いこなしている事を鑑みても明らかだと同意できる内容であった。
セラック25やフォード・ピントといった工業デザイン方面の致命的失敗事例については、本書を読むまで知らなかったのでためになった。
難しそうなタイトルだけどページ数も多くなく、結構サクサクと読める。
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