突如として今年に発表された、Evoken de Valhall Production主催によるパワーメタル系(いわゆるメロスピやメロパワ)バンドを集めたメタルフェス「Evoken Fest」、参加バンドを見る限り行くしかない感じだったため、名古屋飛ばしだけど大阪まで見に行ってきた。
東京公演は2daysで微妙に新宿の前夜祭と代官山の本祭とで出演バンドが違っているようだったが、大阪公演は自分の見たいと思ったバンドは全て出演の予定が発表されていたので結果として大阪遠征で正解であった。
会場は江坂ミューズという江坂駅から徒歩5分くらいの場所にあるライブハウス。「どうせ会場は梅田か難波でしょ」と思い込んで宿を梅田駅エリアで確保してしまい、微妙に遠いのだった。もっとライブのチラシをしっかり読みましょう。
15:00開場だが宿泊ホテルのチェックインも最速15:00だったため、まぁお目当てのバンドまでに間に合えば良いかとのんびり移動。江坂ミューズはそこそこ立派なビルの5Fにあり、名古屋クラブクアトロまではいかないが、天井も高いしステージもちゃんとしたハコに見えた。600~700人くらいは入りそう。ちなみにチケット完売だったようで、なかなかの客入り。
オープニングアクトはイタリアのTemperanceというバンド。このバンドだけ知らなかった。
イタリア美女のキアラ嬢と、おそらく同郷バンドDGMかSecret Sphereに居たと思われる左利きの歌って弾けるギタリストを擁している。Epica / Nightwishのようでもあり、時々Amarantheのようでもあった。
結構人気出そうに見えた。出番は30分くらい。程よく会場も温まる。
イギリスのメロスピバンドだが、2000年代前半に活躍していた記憶があり、「い、生きていたのか!」とビックリした。
ボーカルはCD音源で聴いた印象そのままだったので、メンバーも当時のままなのかな。なかなか上手く客席を煽っていた。何故か軍人っぽい恰好をしていた。セットリストもファストチューンが多くてウケていた。
これまた出番は30分ほどで終了。メタルフェスの割にバンドとバンドの交代時間も短く、サクサク進む。
アメリカの超DragonForceタイプと言えるメロスピをやってるバンド。
背が高くて若いバカテクなメンバーばかりで、ニューメタルバンドと言われても信じそうな見てくれだが、演奏するのはコテコテのDragonForceタイプというギャップが面白い。
機材トラブルがあったようだが、他のメンバーが即興で上手く間を持たせていた。この辺りから時間はちょっと押し気味に。
曲のクサさがとんでもないと登場時から絶賛されていたイタリアのメロスピバンド。確か最新作では、ボーカルが脱退してしまい、ゲストボーカルを多数参加させた過去の楽曲を録り直した企画盤となっていて、どうするんだろうと思ったら、前任者を呼び戻しての特別構成で来日したらしい。
この呼び戻したボーカルが非常に「歌える」タイプの人で、Derdianを目当てに見に来た人も多かったのか、とても歓迎されていた。クサクサなメロディラインを支えるキーボードもよく聴こえてライブ映えしていた。もうちょっと長い時間で見たくなるね。
スウェーデンの若手メロスピバンド。往年のRhapsodyをさらにファンタジックにしたような、指輪物語、あるいはドラクエやファイナルファンタジーが大好きな日本人には1st/2ndともに大受けしている。やはりこの日も1番の盛り上がりを見せた。
ギタリストのメンバーがエルフ耳だったり黒装束だったり、キーボーディストとドラマーは呪術師のようなローブを羽織って演奏しており、徹底したファンタジーの世界である。ボーカルも血管ブチ切れそうなハイトーンを頑張っていた。
Evoken Fest 2017登場バンドはどれも演奏が良くて、実はこのTwilight Forceが1番危ういというか音がバタバタして感じられたのだけど、会場の盛り上がりをそれをかき消してるくらいで、結果オーライという状態。
これは客視点でもプロモーター視点でも、近く単独来日ツアーもあり得るんじゃないだろうか。しかしTwilight Forceが終わったらフロアからは人が見るからに減ってしまったのは、何と言うか残酷な話である。みんなTwilight Forceを見に来てたんだな……。
客側も6時間半ぶっ通しで立ちっぱなしとなったこのメタルフェスの大トリを飾るのは、ドイツのベテランFreedom Callである。幾度か来日公演を噂が出ては流れてしまった不遇のバンドが遂に来日実現である。が、客席は疲労も濃いし、さっきのTwilight Forceが終わって帰ってしまう人も居るし、やはり不遇なバンドである。
それでも熱心なファンがサビを歌って出演待ちし、オープニングは最新作の代表ナンバー「Metal Is For Everyone」以外に考えられないほど会場が温まったところで何故か「Tears of Babylon」という地味なミドルテンポのナンバーから入って肩透かしで始まるという……。
この日のセットリストは、初来日もあって、自分達の集大成を見せようという狙いがあったんだろうけど、直近2~3作のアルバムから選んだ曲で構成した方が良かったんじゃないだろうか。あとボーカルであるクリスのMCが長い! 同郷ドイツのGamma RayやHelloweenもこんな感じなので、サービス精神かも知れないけど、もう客席は疲労もピークだったので、もう少し短くまとめてくれると嬉しかった。
まぁ何だかんだで、このバンドらしく「ヘヴィメタルを讃えよう」みたいな小芝居も楽しかったし、最後の「メタルの優勝」Tシャツ(スタッフが用意したのかファンが用意したのか謎過ぎる)も面白かったし、カーテンコールまで付き合って良かった。
こういったジャンル限定のメタルフェスは、見たいバンドばかりで客として行く自分にも良いこと尽くめなので、定番化されることを願ってやまない。あとは名古屋にも来てくれると良いのだけどね。この内容なら会場スカスカは無いと思う。
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