ariyasacca

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2012-09-10 (月) [長年日記]

[メタル]Gotthard / Unisonic JAPAN TOUR 2012の名古屋公演を見てきた

伝説的ジャーマンメタルバンドHelloweenの黄金期メンバーであるカイ・ハンセンとマイケル・キスクが結成したスーパーバンドUnisonicの来日ツアー、9月にあることは知っていたのだけど、チケットが高いため敬遠していた。通常、メタルバンドのライブと言えば5,000円から7,000円が相場のところ、8,500円 + ワンドリンク代徴収で実質9,000円もするのである。高ぇ…。

ただ、先行する東京公演や大阪公演へ行った人のつぶやきを見る限り、Helloween時代の曲も何曲か披露しているようだし、何よりスペシャルゲストがGotthard(解散したと思っていた!)だったので、行ってみることにした。

前々日にチケットぴあで購入したチケットをセブンイレブンで発券してもらい、今日は仕事を定時で切り上げて新栄町のクラブダイアモンドホールへ。開場時間の18:00には間に合わず、開演15分前の18:45くらいに到着。1,000人くらい収容可能な名古屋では大きめのハコなのだけど、9割方埋まっていようかという盛況ぶり。チケット高いのにオレを含め、おっさん世代は金持ってんだな…。

Gotthard

  • アルバムは何枚か持っていて、結構好きなメロディアスハードロックバンドである。前述の通り、バンドの顔であったボーカリストのスティーヴ・リーが事故死して以来、てっきり活動休止してそのまま解散したのだと思い込んでいた。
  • スティーヴ・リーの死は、例えるならBon Joviというバンドがジョン・ボン・ジョヴィを喪うようなものであり、復活の道は到底あり得ないものだとばかり。
  • 演奏開始から2曲ほどは、音のセッティングが悪く、スタッフが何度か出入りして調節していた。3曲目辺りからは、リズム隊の音が安定して、ボーカルの声も良く聞こえるようになった。
  • 後任ボーカリストのニック・メーダーは、歌唱も巧く、ステージングにも華があり、びっくりした。
    • 声質もスティーヴ・リーに近く、やや甘ったるい感じで聞こえるが巧い。ベストアルバムで聴いたことがある昔の曲でも、それほど違和感は無かった。
    • 自身もギターを持ち替えたり帽子をかぶったりと芸達者な印象だった。楽しそうに客をノせるのも上手。まさにロックスターといったところ。
  • 何より前列へ陣取っている熱心なGotthardファン達が素晴らしかった。楽しそうな雰囲気作りに一役買っている。
  • リードギターの人が、背中にかついだギターをタッピング披露したり、ヘリウムガス(?)で声を変えて楽器代わりとしたりと、目立っていたのだけど、残念ながらギターの音が割れ気味だったサウンドセッティングは最後まで直らず、良く分からなかった。
  • 扱いとしては前座ということらしく、アンコールも無しに引っ込んでしまった。しかし素晴らしくプロフェッショナルなショウだった。コーラス・ワークもバンドに一体感があり、本当に良いライブだった。

Unisonic

  • 集まった観客の大半は矢張りこのバンドがお目当てらしく、バンド名を冠する1曲目のUnisonicから、凄い盛り上がり。
  • 初めて生で観たキスクだが、印象としてはかなりイマイチであった…。
    • 登場時のサングラスにスキンヘッドのおっさん姿を見たときは何事かと思い、ズッコケそうになった。メタル・ゴッドならぬメロスピ・ゴッドを気取っていたのだろうか。
    • 中音域での独特の「伸び」は健在で、高音域も息が続かず途切れ途切れになりがちな点を除けば、日本中のメタルファンを魅了したあの時のままではあるのだけど、動きにキレがなく、復帰に失敗したプロレスラーみたいだった。かっこ悪い。
    • インストパートになると、すぐに舞台の外へ引っ込んでしまうし、かと言えば早く戻って来過ぎて所在なさげに徘徊したり謎のチョップをしたり、落ち着かない。
    • MCも長いし何が面白いのか良く分からない。
  • カイは本業バンドのGamma Rayで見られる姿そのままに、フライングVを持ってステージ上を駆け回っていた。
    • 本業よろしく、もっと歌いたがるのではないかと懸念していたが、純粋にギタリストとして楽しんでいたようだ。
    • カイとキスクが肩を組んで一緒に歌っている姿を見ると、生きている間にはもう見られないだろうと思っていた組み合わせのため、それだけで胸が熱くなる。
  • 好きなバンドのPink Cream 69の司令塔かつ、今日のUnisonicでも結成を呼び掛けるキーマンとなったデニス・ワードも生で見る機会は初めてで、注目していたのだけど、何というか職人気質で地味な人だった。
  • まだアルバム1枚しか出ていないためしょうがないのだけど、Unisonicの曲がライブ映えしない曲が多く、それがステージのつまらなさに拍車を掛けていたように感じた。アルバムで流している分には悪くない作品なのだけど。
  • Helloween時代の曲は守護神伝からMarch Of TimeとFuture WorldとI Want Outを披露。ほぼ事前情報通りだったものの、この日1番の盛り上がりとなった。

元々はUnisonic寄りで見に行ったのだが、すっかりGotthardに食われたなぁという感想だった。

もちろん、カイとキスクがステージ上で共演する姿は、夢に見ていた光景の一つだし、とても興奮したのだけど、肝心の内容が厳しいものだった。来年またこのメンバーで来日ツアーがあるとして、10,000円近く出して見に行くかと言われると、うーんと唸ってしまう。


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