お腹が出て、頭も薄くなりかけた猥談オヤジにホレてしまった理由とは?新人のころ、自分の著書を売るためにとった書店での奇想天外な作戦とは?日日の生活のなかで出会ったチョットいい人、いい話がいっぱいの新・社会派エッセイ。作家・重松清氏との対談も収録。ジョッキ片手にリラックスしてどうぞ。
『聖域』や『弥勒』といった重厚長大なテーマを持った物語や、結婚を巡る駆け引きをエグく描写した『女たちのジハード』を書いた篠田節子によるエッセイ集。自分を探しながら現代社会を生き抜く、働く女性への応援賛歌になるはずもないと思って読み始めたら本当にその通りだった。
著者自信が巻末で述べているとおり、「オヤジくさい物言い」とでも云うか、収録されたエッセイのほとんどは、朝日新聞のコラム欄で連載されていた話らしいのだけど、どちらかというと「日経なんちゃら」にでも載ってそうな、社会を鋭く論じた話が多かった。
笑ってしまったのは、あとがきの以下のエピソードだ。
『女たちのジハード』を発表して以来、取材、講演、エッセイの依頼が殺到した。要求されたテーマのほとんどが、「女性の行き方」であったことに、本業が小説家である私はおおいにクサッていた。
体力、気力の限りを尽くして仕上げた内乱をテーマにした長編小説など話題にも上らず、「自分探し」「男女共同参画社会」「結婚」といった内容を語らされ、メイクアップアーティストとスタイリストとカメラマンの卓越した手腕によって、「今、輝いている女性」に作り変えられる。
まさに今、こういったキーワードを前面に押し出して大活躍している女性が、居ましたよね!
自分探しに疲れた時は、せっちゃんが体力、気力の限りを尽くして仕上げた内乱をテーマにした長編小説
である『弥勒』がおすすめです!
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