ariyasacca

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2021-10-23 (土) [長年日記]

[SF]視聴したSFアニメの感想:『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』

一気に視聴した前作『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』に続き、TVシリーズ第2弾となる『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』(以下2nd GIG)もAmazonプライムビデオで無料視聴対象となっていたため、日に何話かのペースで見て最終話まで視聴した。

感想

  • 全体的に暗く緑色のネオンを強調した画作りになったのが印象的だった。前作S.A.C.では田園都市的なところを高速道路で繋いでるシーンが思い出されるが、2nd GIGでは、より都市的な部分と、都市が内包するスラム街(難民地区)の二面性が目立っていると感じた。
  • 作中で普通に択捉島がロシアから日本に返還されていてビックリしてしまった。「ゼロ年代に夢想された2030年代の日本」であれば、こういう歴史観もあり得るのか。
  • 最終対決することになる敵役(官僚組織トップとカリスマテロリスト)の2人がどちらもクセがあり、前作「笑い男」に比べるとサイバー感は薄く、「プロデューサー」と「英雄」を志向する、非常に現実にも居そうな人物造形に感じられた。
  • 前作から時間が経過して、日本にとうとう保守派の女性総理大臣が誕生している! 本人曰く、選挙のためのお飾りらしいけど。声の担当が、ガンダムシリーズのハマーン様やナウシカのクシャナ様である榊原良子さんのためか、女傑イメージもばっちりでしたね。
  • メインストーリーとなる「個別の11人」と並行して挿し込まれる公安9課メンバーを掘り下げるサブエピソードが、相変わらずどれも魅力的。
    • 草薙少佐はキャラクターデザインが前作S.A.C.よりも丸みを持ってふっくらした顔つきに感じられた。まぁ全身義体だからマイナーチェンジした義体に乗り換えてる可能性もゼロではないが。少佐がチンピラ少年を守るためにチャイナマフィア相手に大立ち回りを演じるエピソードめっちゃ好き。
    • 裁判でやり手の弁護士にトグサ君が追いつめられるエピソードは、「近未来でも人間の汚いところって変わらないな~」と思うところの多い話だった。
    • まだ両目が生身だったサイトーさんと草薙少佐のファーストコンタクトエピソードも良かった。イシカワさんちょっと若い。
    • 少佐とバトーの2人がテロリスト『天使の羽根』を捕まえるために国際派遣されて張り込むエピソードも素晴らしかった。
  • あとはやはり、今作でも自律型AI搭載の多脚戦車「タチコマ」ですね。彼ら(彼女ら?)のそれぞれが獲得した個性と、自分で考えて少佐からの命令とは違った行動を取るに至った下りが非常に印象深い。

近未来アジアが向き合わねばならないであろう移民や安全保障分野にも踏み込んだ、メッセージ性の強いシリーズに仕上がっていて見応えたっぷりでした。荒巻課長の大活躍回が少なかったところは、数少ない残念なところだったかも知れない。

タチコマかわいいよタチコマ。


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