会社で周りの人が読んでいて評判も良いようなので、自分でも買って読んでみた。
「コミュニケーションにおける不確実性を減らすには?」「技術的負債を解消する方法とは?」「経営陣とエンジニア間の認識のずれを解消するには?」
エンジニアリングにおける課題を解決する思考の整理方法やメンタリング手法を,さまざまな企業の技術組織アドバイザリーを務めている著者が解説。
若手を戦力として育て上げ,成長する組織を設計・運営するためにおすすめの1冊です。
ソフトウェア開発という活動が、なぜ不確実性が高くなってしまうのか、人間の陥りがちな思考の視野狭窄や、情報伝達の難しさを丁寧に解説した上で、前半ではメンタリングのテクニックを、後半では見積もりやチームや組織のデザインといった、より広いスケールで不確実性に立ち向かう方法論が述べられている。
自分にとって発見だと感じた点は、プロジェクトマネジメントとプロダクトマネジメントの違いについて述べられた135ページ以降の箇所で、
という論点整理には、なるほどと合点がいった。
また、本書の終盤では、コンウェイの法則「システムを設計する組織は、その構造をそっくりまねた構造の設計を生み出してしまう」を紹介した上で、目指すシステムアーキテクチャを見据えて組織設計を考える「逆コンウェイ作戦」が紹介されていて、こういう事を読んで経営に取り入れてくれる経営者が居ると良いなぁと思った。
ちょうど本書を読み終わった頃にマイクロサービスチーム編成のベストプラクティスとメルカリでの構想というブログエントリが出て、
- 開発だけではなく、自律して運用できる人数を確保する (6〜10名程度)
- チーム内に十分ノウハウが蓄積するようにチーム間異動の頻度を低めにする
- チームが自己組織化するために必要な権限と責任を付与する
逆コンウェイをここまで真摯に取り組める事は素直にすごいなと驚いた。
四半期ごとに組織をいじって異動させまくる事が仕事だと勘違いしてる経営者や管理職~ そういうとこだぞ~
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