「これ読んでほしい編集者、いっぱいいるわぁ」 森田まさのり(漫画家・『べしゃり暮らし』『ろくでなしBLUES』)
エロスやバイオレンスを描く異端の作家である著者は、ジャンプという少年誌でいかに戦い散ったのか。『北斗の拳』原哲夫氏のアシスタントを務め、『ジョジョの奇妙な冒険』荒木飛呂彦氏と競合、『メタルK』『ゴッドサイダー』など強烈な作品で異彩を放った作家が初めて明かす、実録奮戦記。
1980年代の、まさに黄金期と呼ばれた週刊少年ジャンプで何度も連載を持っては打ち切りを経験した漫画家・巻来功士氏による自伝。同時に「作家と編集」をテーマにした作品とも言える。
アシスタントで行った『北斗の拳』連載準備中からの原哲夫の凄まじい働きぶり、同じ大学に通っていた北条司への強烈な劣等感や、ややオカルトチックだっただった初期『ジョジョ』と作風がかぶってしまった荒木飛呂彦への恨みつらみ、等々、週刊少年ジャンプ連載陣の中では「中堅作家止まり」だった著者の自虐たっぷりに描かれる黄金期ジャンプの世界はとにかく面白い。
何度も担当編集を変えられてしまった点も作中で描かれ、巻末に収録された当時の原哲夫や北条司を担当し、その後ジャンプを離れてコミックバンチを創刊した堀江信彦氏との対談も必見で、ある意味でここで「憑き物が落ちる」というか、「ストーリー」と「キャラクター」を作家と編集が何対何の割合で担うかといった持論や、人気作品の1話あたりのコマ割りが20ページ100~110コマといったディープな内容。
9連休で人間はリフレッシュできるのだろうか。ちょっと前まで10倍以上も休めていたのに。
毎年90連休が欲しい。
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