レベル7まで行ったら戻れない―。謎の言葉を残して失踪した女子高生。記憶を全て失って目覚めた若い男女の腕に浮かび上がった「Level7」の文字。少女の行方を探すカウンセラーと自分たちが何者なのかを調べる二人。二つの追跡行はやがて交錯し、思いもかけない凶悪な殺人事件へと導いていく。ツイストに次ぐツイスト、緊迫の四日間。気鋭のミステリー作家が放つ力作長編。
物語冒頭からいきなり記憶を失った男女が登場して、「何だよくある記憶喪失モノかよ!」と面食らったのだけど、“記憶を失った人が知らない部屋で目覚めた”シチュエーションの描写が、「あぁ自分もこんな状況に置かれてしまったら、絶対こうするなぁ」といった具合にとても秀逸で、どんどん引き込まれてしまった。
自らの出自を探す男女と、行方不明の女の子を捜すカウンセラーと、「レベル7」という単語を巡って2つの視点で交互に進む別の物語が中盤で交錯して面白さが一気に増してくる。最後に小さなどんでん返しも用意されており、「このオッサンは敵か味方か!?」とドキドキしながら読めた。
僕が買ったのは文庫版だったのだけど、表紙がすごくTENGAのカップに見えてしまって困った。
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