僕の家で飼っている犬(柴犬の雌で、11歳)も、通算して2回仔犬を産んでいる。発情期に家を飛び出してしまって、帰って来た頃には種をもらっていたという具合なので、血統書も付かない雑種の仔犬達だったが、幸いにも、どの子も貰い手が見付かった。
うちの犬が2〜3歳の頃だったと記憶しているが、避妊手術を受けた。僕の親がこっそり動物病院へ連れて行ったのだ。当時、中〜高校生だった僕や妹達は、親に非常に反発した。飼い主の都合で避妊手術を受けさせるなんて、人間のエゴだと思ったのだ。今になって思えば、犬を人間が飼って愛でる行為そのものが、既にエゴ丸出しなんだが。
妊娠と避妊手術のどちらが犬の身体に負担になるのかは知らないが、シニア世代になった現在も、うちの犬は元気だ。発情期にワンワンと雄犬を呼ぶこともなくなり、飼い主としての手間は減ったと言える。2回目の妊娠の時も貰い手を見付けるのに苦労しており、もし3回目があったら、きっと貰い手は探せなかっただろう。
そうなると雑種だからペットショップは扱ってくれないし、保健所に持ち込んでいたかもしれない。これは、広義の“仔犬殺し”に含まれる行為だっただろう。
僕にとっては、犬を飼う生活の中で、避妊手術は決してベストではないが、仔犬を殺すことになるよりはベターな選択だ。どちらも後味の良い選択肢ではないけれども、この作家のおばさんは、猫の気持ちになったつもりで後者がベター(或いはベスト)だと判断し、選択したのだろう。
この判断は確かに理解し難いことだが、人間には色々と変わった行動をする人が居るのだ。AVに出演して犬とセックスする女も居るし、犬を食べる文化を持つ国もある。僕は、犬の肉球の匂いが堪らなく好きだが、これも相当に周りから理解され難い行動だろう。人間にだって個体差はあるよ。
最近のツッコミ
参号館 日記(ariyasacca)
避妊と比較して殺害を「良」とする考え方は自分には到底理解できませんが、マイノリティを否定視しない雷悶の姿勢には好感がもてます。それでも件の女流作家先生は、ただ自分が納得したいだけなんじゃないかという気がしてなりませんけども。子供を産んだ猫は、子供が自分の目の届かないところに行ってしまうと慌てて探しに行く習性があるようなのですが(体験談)、猫の気持ちを本当に考えてるとは言いがたいですよねえ。つーか、殺すくらいなら最初から飼うなと。