終戦間もない昭和の日本。女学校に通う楠本頼子と柚木加菜子は、最終列車に乗って湖に行く計画を立てる。当日、加菜子は到着した電車に轢かれてしまう。偶然居合わせた警視庁捜査一課の木場刑事は、混乱した現場で頼子の監視を頼まれる。加菜子の安否を気遣う頼子とともに、運ばれた病院に向かった木場は、そこで加菜子の姉と名乗る女性、柚木陽子と出会う。それは、木場が憧れていた女優、美波絹子その人だった。京極夏彦の大ベストセラー小説のコミック版ついに刊行!!
このコミックシリーズを友人のユーキさんが買ってて、以前に勧められた事があったのだけど、「京極夏彦の妖怪シリーズをコミック化したら、脳内イメージとずれちゃってダメっしょ~」とスルーしてた。
あれから数年経ち、Kindleストアでお勧めに出て来たのと、ちょうどセールになってた事も重なって、物は試しだとポチってみたら、めちゃくちゃ良いじゃないですか。たまげた。
キャラクターの造形に違和感の無い点も素晴らしいのだけど、何より原作の奇怪な雰囲気まで丁寧に描写されてて、あちこちのコマで京極堂は世界を終わりそうなくらい不機嫌な顔をしていて本当に素晴らしいコミック化になってる。
少年探偵みたいな恰好をしてる敦ちゃんは可愛いし、木場修はイメージ通りにゴツくて不器用だし、関くんは段々とウザさが増してくるし、榎さんはひゃあとか言いながら着替えるし、原作ファンには堪らないね。そのまま勢いで『姑獲鳥の夏』も全巻買ってしまった。こちらも素晴らしかった。
原作小説を読んでる人にとっては最高の追体験が味わえるのだけど、実際のところ、小説未読の人が読んだらどういう感想になるんだろう? という点は興味があるね。
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