色々あって6月の後半は無職期間というやつであった。これはなかなか貴重な体験であったと言えよう。
とにかく無職生活というのは、危険な魅力に満ちている。朝はどれだけ寝ていようが電車に乗り遅れる心配も何も、乗るべき通勤電車がそもそも存在しない訳である。昼間は2ちゃんねるやニコニコ動画など、駄目な奴が時間を潰すのにはもってこいのコンテンツがウェブ上に溢れ返っている。夜はオナニーをして寝るだけである。率直に言って、働きたい意欲はどんどん失せて来る。
こういう駄目生活を続けていると、今度は稼ぎもろくに無いのに自分の貯金は目減りして行くことが嫌でも意識されるようになって来る。生きるコストというやつである。「ずっとこのままダラダラしていたいけど、いつまでも続ける訳にはいかない」という気持ちが湧き出て来る。夏休みの宿題があることを見てみぬ振りをして8月後半まで過ごしてしまった小学生のような気持ちである。
このプレッシャーたるや凄まじく、世間では「ニートはけしからん。社会のゴミ」という意見もあるが、実はニートはかなり凄いのではないかとオレは感じたのだ。「働かなきゃやばい」というプレッシャーに打ち勝った者だけが、「働いたら負けかなと思ってる」と主張出来るのである。主張出来るようになるまでの壁は、相当に高い。オレのようなチキン野郎にニートは務まらないのである。優れたニートは閉じたコミュニティの中で「職人」と呼ばれるような高い生産性を発揮したりするし。
ニートというのは、外から見たよりもずっと強い精神力を持っている、ような気がした無職生活であった。
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