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2005-01-06 (木)

[携帯] パケット定額よりも通話料定額を頼むよ

ADSL事業者のイー・アクセスは1月6日、携帯電話事業に参入する計画を発表した。2005年内に事業免許を取得し、2006年に1.7GHz帯でW-CDMA方式によるサービスを開始する意向である。2005年1月1日付で同社の社長から会長兼CEOに昇格した千本倖生氏は、「現在の携帯電話の料金は馬鹿げている。半額を目指したい」と話した。

素晴らしい考えだ。どんどん価格破壊を進めて欲しい。本当にぶっ壊しそうなのはイー・アクセスよりもソフトバンクだと思うけど(笑) 何にせよ基本料金だけで月5000円近くかかってるのが2500円程度で済めば大変助かるので、新規参入の初期衝動でやりたい放題やって欲しい。

会社でもプロジェクト単位で1台共有じゃなくて、1人1台くらい与えられるようにならんかな。料金が魅力的になれば、法人契約で台数はまだまだ伸びると思うんだけどなぁ、携帯電話。


2006-01-06 (金)

[ゲーム] マリオカートDSやりたい

2005〜2006年の年末年始進行中に、周りでニンテンドーDSとマリオカートDSを同時購入して、えらい面白いと誰もが口を揃えて言うので、気になってしょうがないです。

僕はとんでもない勢いでライトゲーマー化しているものの、ニンテンドーDSというハードについては、

  • 2つ画面がある
  • タッチパネルがある
  • セガがコーンヘッド並みにトンガったタイトルの「きみしね」「あかどこ」とやらを発売している

という点については、一応知識として持っていました。

今日ITmedia +D GamesのマリオカートDS紹介記事や任天堂の公式ウェブサイトを見て、以下のことを初めて知りました。

  • 音声認識機能もあるらしい
  • 通信機能もあるらしい
    • 接続設定が不要らしい
    • 利用料が無料らしい
    • 世界中の人と通信可能らしい

「何を今さら」とか言われそうですが、もしかしてニンテンドーDSって、物凄いゲーム機ですか?

このゲーム機の為に、任天堂っていう会社は世界中にネットワークインフラを用意したんでしょうか?(読み違ってる?) その発想がぶっ飛んでます。ネットゲーム否定派の僕ですが、これなら普及しそうな気がして来ました。

15,000円という価格が、どうも携帯ゲーム機というものを購入するのにしては高過ぎると思えて躊躇してしまいます。「スパイ vs スパイ」や「熱血行進曲」が件の通信機能で対戦出来るなら、今すぐ買ってしまいそうなんですが。

2つの画面とタッチスクリーンの話

特徴的な2つの画面とタッチスクリーンというユーザインタフェースを活用しないゲームをニンテンドーDSで発売するメーカーは、発想が貧困なんでしょうか。僕はITmedia + D GamesのマリオカートDS評における

何もNDSで出たからと言って、全てがタッチパネルを意識しなくてもよいのだし、飽くまでもボタンの操作に拘った本作は、それはそれで筋が通っていると思う。そして何よりも、NDSのWi-Fi通信という機能については他の追随を許さない勢いで活かしまくっているのだから、それでいいではないか、と思うのである。

という意見に同感です。

特徴的なユーザインタフェースが装備されているんだから、アイディアが枯れるまでそれを利用し続けよと考える、その発想こそが貧困であると思います。レースをタッチパネルでやる必要はどこにもありません。

[時事ネタ] ビックカメラがソフマップを子会社化

名駅地区で、両店舗の商圏がバッティングするんじゃないかなぁとか、そんなん。


2007-01-06 (土)

[雑記][死生観]定年退職後の膨大な時間

今日は法事ということで、親戚一同集まった。父方の祖父の十三回忌である。「もう、そんなに経つのか」と時の流れの速さに驚いてしまう。オレは小さい頃、じいちゃんに2枚落ちで将棋の相手をしてもらったなぁ。じいちゃんはタバコが好きで、肺を悪くして入院して、病院の先生から「タバコは絶対に止めるように」と言われていても、こっそり病室を抜け出して吸っていたんだよな。結局それが仇となってしまったらしいのだが。

人間、死んだら終わりだが、こうやって故人を偲ぶ時に、親戚が顔を合わせる機会をもらっているような感じがする。人と人の縁とは、なかなか不思議なものだ。

さて、うちの父親は男兄弟ばっかりである。皆が皆、そろそろ「定年退職した後」のことを考える年齢になって来たとかで、話題に上った。曰く、「何をやったものか全く思い付かない」そうである。そりゃそうだ、と思う。突然毎日、時間というリソースを(それ以前と比べて)自由に使えるようになっても、使い道は簡単には見付からないだろう。いや、既に有休の消化に入っていて、かなり暇なのだ(月の半分くらいは休み)。さらに暇になった時どうするか、という話なのである。

何年も先のことを今から考えるのも無理な話なんだが、自分が定年退職する頃には、そもそもCDとか本とか、そういったメディアが生き残っているんだろうか? BOOK OFFが存命ならば、暇しない自信があるのだけれど。


2018-01-06 (土)

[サバティカル]大阪までライブ遠征して禁酒成功した

睡眠と天候

  • 前日就寝:23:30
  • 当日起床:10:50
  • 当日天候:地元は小雨、名古屋と大阪は晴れ

この日は予めチケットと宿が購入済みとなっている、大阪までライブ遠征の日であった。「早めに起きて交通費節約のために近鉄特急で向かうぞ~」と考えて就寝した筈だったのに、めちゃくちゃに寝坊して東海道新幹線を使う羽目になった。寝過ぎである。

宿泊場所はR&Bホテル梅田東

宿泊に選んだのは、東梅田駅からお初天神商店街を東に抜けて、紹介所の立ち並ぶB級エリアにある、R&Bホテル梅田東というところ。

念のためにと、自分が2017年内に予約を取った時は8,000円超の宿泊費だったのに、部屋がダブついているためか、前日当日のタイミングで予約すると5,000円くらいになってた……マジかよ。もう大阪のホテルは供給過剰になりつつあるのかなぁ。次に予約する時は、1週間前くらいにするか。

ホテルは宿泊特化型のためか、部屋が9平米と狭いし、水回りもそれほど良くないし、これなら次は別のホテルにすると思われる。宿泊に付いてくる朝食も、正直言って「それほど……」という感じ。

禁酒成功

3ヶ月間の禁酒期間という目標において、一つの壁となることが予想されたのが、この日であった。

まず、ライブハウスでは一般的にドリンク代を先払いして入場する方式が一般的であり、ここで貰ったチケットをアルコールと交換しないと、何だか「損した気分」になるのである。しかし、僕は鋼鉄の心でもって、ミネラルウォーターと交換したのであった。

続いて、ライブが終わった後の、高揚した気分でふらりと酒でも飲もうかと考えてしまう誘惑との戦いがある。この日は大変困ったことに、目的地のライブハウスと、宿泊ホテルとを結ぶルート上に、ちょうどクラフトビールの飲める「umbrella RiB」なるバーがあったのだった。「な~にが8taps for youじゃ~」という強い意志でもってスルーしたのであった。禁酒成功した。

禁酒期間が明けて、また梅田までライブを見に来る機会があったら、必ず立ち寄ろう……。うう。

【写真】umbrella RiB

[メタル]TrollfesTの出演するPagan Metal Horde vol.2大阪公演を見てきた

Evoken de Valhall Production主催の辺境メタルバンドばかり集めたメタルフェス「Pagan Metal Horde」のvol.2大阪公演へ行ってきた。

呼び屋さんのポリシーである「自分達が見たいと思うバンドを呼ぶ」に基づき、なんとノルウェーからTrollfesTが招聘されているという! すごい! CDは日本盤もほぼ出ておらず、日本で知名度無さそうなのに。しかも名古屋公演では出演しないらしい! オーケーオーケー、実質いつもの名古屋とばしだね! ということで大阪まで見に行った。

チケット代は前売り8,000円にプラスで、当日ドリンク代を600円別途徴収。

会場は梅田Banana Hall

大阪公演の会場は、梅田にあるBanana Hallというライブハウス。「ハテ? 名前は聞いたことあったけど、そう言えば何度か梅田遠征してる割に行った事が無いな」などと不思議に思っていたら、2007年に一度閉館した後に、2017年に再オープンしていたらしい。

道理で、昔からよく聞くハコの割に、建物がピカピカで新しいと思ったよ。建物の中もすこぶるキレイで、詰め込めば400から500人は入場できそうに見えた。ドリンクカウンターでも、名前にちなんだバナナ系のメニューが多くあって、ユーモアセンスを感じさせるライブハウスであった。ビールもコロナなどが用意されてて本当にセンスいい。まぁ僕は禁酒中ゆえ、水を貰ったけど。

客入りとしては、6割~7割といったところかな? メインのEnsiferumも居るし、そこそこ入ると予想してた割には、空いてたなという感想。やはり辺境メタルフェスなんてものは流行らないのか……。こりゃメインバンドTrollfesT/Ensiferumが出演しない明日の名古屋公演なんて、散々な客入りだろうな……などと要らぬ心配をしていた。

物販ブースを眺めていたら、2017年発売のTrollfesTニューアルバムが2,000円で売っていて、新作出たのを知らなかったので、購入しておいた。

【写真】会場となった真新しい梅田Banana Hall

Dream Spirit

最初に登場したバンドはDream Spiritというバンド。MCで「from China」と聞こえたので、あぁ中国のバンドなんだなと理解した。

そこかしこに中華オリエンタルなキーボードが入り、客席もまずまずの盛り上がり。最近は、この手の複数出演ライブでは、モンゴルや台湾などアジア圏のバンドを見る機会も多くなったね。

水分補給にひょうたん型の水筒を使って飲んでいたのが面白かった。持ち時間は短め。

【写真】Dream Spiritのステージ

Boisson Divine

2バンド目は、フランスのBoisson Divineというバンド。全く予備知識なしで見た。かなり牧歌的な音楽で、カントリーミュージック然としたアカペラもあった。朴訥なメインボーカルの人も、声量が安定していて上手い。

バグパイプとアコーディオンを使いこなす兄ちゃん、どこかで見た顔だなと思ってあとから調べたら、前回Pagan Metal Horde vol.1でSkiltronというバンドで出演していた人と同一人物だったようだ。時折ボーカルまでこなして、とてもマルチなプレイヤーである。他にも笛の二刀流をするお姉ちゃんが居たりと、かなり楽しいバンドだった。

MCで「明日の名古屋公演でも会おう!」とフレンドリーに話していた。名古屋公演では出演バンド数が少なくなる分、各バンドの持ち時間が増えるのかも知れない。もう少し長く見たいと感じたバンド。かなり良かった。

【写真】Boisson Divineのステージ

Valhalore

3バンド目は、オーストラリアのValhaloreというバンド。やはり全く予備知識なし。

ボディペイントに笛と、いかにもヴァイキングメタルといった感じ。

この辺からかなり疲れて来た。6バンド出演は多過ぎるよ。

【写真】Valhaloreのステージ

Wind Rose

ここら辺から、ステージセットも豪華になり始める。4バンド目は、イタリアのWind Roseというバンド。全く知らんが、勇ましい鎧を装備している見た目のインパクトは強く印象に残った。北斗の拳で出て来る悪役かよ。

客席フロアでは、ウォールオブデスやサークルピットも始まり、いよいよ疲労困憊として来た。

【写真】Wind Roseのステージ

TrollfesT

さて、楽しみにしていたTrollfesTの出番である。ようやくだよ……。16:30から開演で、すでに21:00近いよ。

ペイガンメタルの大群と銘打ってるだけあって、そもそも色物バンドしか出演してないイベントなのだけど、その中でもTrollfesTは色物中の色物と言って良いでしょう。なんせ、メンバー全員が探検家の恰好で、風船を大量に引っ提げて登場するんだから(家に帰ってから把握したけど、これはどうも新作アルバムのコンセプトを再現していたようだ)。

演奏内容は、ゴキゲンに楽しいとしか表現できず、間違いなくこの夜1番の盛り上がりとなっていた。音楽性についてはKaptein KaosのオフィシャルPVを見て下さいとしか言えなくて、ほぼ全曲、酔いどれフォーキーなパーティメタルなのである。酒飲みながら踊りてぇ~(※禁酒中)。

直に見るのが初めてだったこともあって、メインのヴォーカルと思ってたスキンヘッドの人は、吐き捨て系の声とカスタネットなどの入った小太鼓セット(?)を担当していて、他のメンバーがクリーンヴォーカルを担当するんだね。

やはり客席フロアではサークルピットが大量発生し、「俺たちと一緒にダンスしようぜ!」と、客席フロア全体を巻き込んだ謎のスクワットエクササイズがあったり、TrollfesTメンバーも客席ダイブしたりと、大変なカオスっぷりであった。いや~、楽しかった。これはもっと規模の大きなライブでも行けるでしょう。今回の来日で知名度グンと上がったと思われる。終演後は、物販ブースのCDがあっという間に売り切れてしまった模様。また見たいですねぇ。大阪まで来た甲斐があったわ。

【写真】TrollfesTのステージ

Ensiferum

フィンランドのベテランとなるヴァイキングメタルバンドEnsiferumが本日のトリ。Ensiferumのみアンコールもあった。

今回のツアー直前に女性のキーボーディストは脱退していたようで、バトルペイントを施した野郎ばかりの漢らしいステージとなった。色物だらけのフェスにおいて、ある意味で最も正統派ヘヴィメタルに近い立ち位置のEnsiferumがトリを務めるのも、何だか不思議である。

正直、1つ前のTrollfesTで完全に体力を使い果たしていて、何度も見てるバンドだし、後ろの方で眺めていれば良いかなぁ……とも考えたけど、やはり曲を聴いていると身体が熱くなってヲーヲーコーラスに参加したくなってしまうのだった。

本編ラストはVictory Songで、アンコールラストはLai Lai Heiと、お約束の曲で締めて、みんな大満足のステージでしょう。

【写真】Ensiferumのステージ

まとめ

  • TrollfesTは最高だった。
    • まさか日本で彼らを見られる日が来るとは思っていなかった。呼び屋さんありがとう。
    • Finntrollあたりと組んでダブルヘッドライナーで回っても十分にお客さん入るのでは!? 是非ともまた見たい。
    • TrollfesTとEnsiferumが出演しない名古屋公演の意味とは……。
  • 16:30から23:00前まで6時間以上ぶっ通しはキツイ。
    • 2日間に分けても良かったのでは。
  • Banana Hallかなり快適で良いライブハウスだった。周りは風俗街だけど。

2019-01-06 (日)

[雑記]Kindle Paperwhiteの旧モデルに配信されていた本を買い換えた新モデルに配信する手順

2018年に購入したKindle Paperwhiteに、それまで利用していた2013年モデルに配信済みだったコンテンツを配信し直しました。

次に買い替えた時が来たときのため、自分用の備忘録です。

  1. Amazonのコンテンツと端末の管理画面にアクセスし、「端末」タブを開く
  2. これまで利用していたKindle Paperwhite(例:「raimonさんのKindle」)を選択状態にし、「デバイスのコンテンツを見る 」をクリック
  3. 買い換えた新モデルにも配信したい作品にチェックを入れて「配信」ボタンをクリック
  4. 配信先として、新しく買い換えたKindle Paperwhitee(例:「raimonさんの2番目のKindle」)を選択
  5. 持って行きたいコンテンツを全て移行完了し、旧モデルを初期状態に戻してしまいたい時はKindleをリセットするの手順に従い、情報を削除する。

2022-01-06 (木)

[ゲーム]『世界を変えたテレビゲーム戦争』視聴した

少し前からAmazonプライムビデオでヒストリーチャンネル制作のドキュメンタリー番組『世界を変えたテレビゲーム戦争』がレコメンドされて、無料配信期間中にいつか見ようとウォッチリストに入れていた。

この番組はアメリカ合衆国におけるゲーム産業の黎明期(概ねアタリの誕生からソニーがプレイステーションで参入し覇権を築くまで)の企業経営者や従業員からインタビューする形式で構成されている。

僕はアメリカのゲーム業界については、10代の頃はファミ通購読少年でもあったため、鈴木みそのレポート漫画などで、以下のようなざっくりした知識は持っていたが、詳しいことまでは知らなかった。

  • 日本より先に家庭用ゲーム機のブームが起きたが「アタリショック」なる現象で完全に終わったこと。
  • セガのジェネシス(日本名:メガドライブ)がめちゃくちゃ売れていたこと。
  • キャラクター「ソニック」の知名度が「マリオ」並みに高くて人気があること。

『世界を変えたテレビゲーム戦争』は、上記のような、解像度の低いざっくりした理解を補強してくれる内容で、かなり楽しめる番組だった。字幕は口語的な面白さを重視した抄訳といった印象だが、アタリ創業者ノーラン・ブッシュネルやセガオブアメリカのCEOトム・カリンスキーといった人物の英語はかなり聞き取りやすいので、がんばれば本質的な彼らの伝えたい内容を理解できるかも。

以下は印象に残ったところの覚え書き。

  • アタリ初期の出世作「PONG」のアイデアを巡り、元ネタとなった発明家ラルフ・ベアの遺族と、よりポピュラーに実装して普及させたノーラン・ブッシュネルどちらの立場からもインタビューを取っている。
    • 様々な見方はあるだろうが「操作はシンプルに、攻略は難しくする」ことでPONGは広く受け入れられた、とするノーラン・ブッシュネルの見解はなるほどと思わされる。
    • ノーラン・ブッシュネルは経営者として凄く魅力的な人物で、「アイデアなんてささいなものだ。シャワーを浴びたら誰でも思い付く。大事なのは実行する人間だ」などの名言連発でかなり惹かれる。
  • アタリ社が、自由で制限もなく、当時のヒッピー文化を色濃く反映したシリコンバレーの象徴的企業だった時代の映像が面白かった。社員同士が逢引きに消えて行ったりドラッグでハイになりまくってる毎日っていうのは、さすがに尖り過ぎだが。組織として上下関係が少なくフラットで、共同風呂文化があったのが面白かった。
    • ワーナー社に買収され、スーツのCEOが乗り込んできて徐々に「ちゃんとした」会社にされてしまうくだり、世の中のIT企業でどれくらいこういう出来事が起きてるんだろうと考えさせられてしまう。
    • でもワーナーみたいな「ちゃんとした」会社の営業部門やマーケティング部門の人的リソースを活用できたお陰でゲームビジネスが広がった側面も大きいのだろうなぁ。
  • スティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアックがアタリに雇われてゲーム1本完成させるくだり、何かの伝記で読んだ記憶があったが、これの顛末もちゃんとインタビューが取られていた。
    • 実装面のほとんどを担当したウォズはジョブズに「ボーナス出たから半分やるよ」と言われたが、実はそのボーナス総額がジョブズの話とは10倍くらい違っていて、結局ほとんどをジョブズに持っていかれたと笑って話す。ウォズどんだけ人が良いんだよ……。
  • アタリのゲームソフト売上はどんどん伸びているのに、実装を担当したソフトウェアエンジニア達の待遇には反映されず、不満を持った社員たちが独立して立ち上げたアクティビジョン社によってサードパーティー製ゲームソフトの門戸が開き、これがクソゲー粗製濫造に繋がり、やがては「アタリショック」が引き起こされる。
    • 典型的なエンジニアリング部門軽視の事例ではあるが、アタリ経営陣としてもいわゆる「家族主義的経営」で平等に組織運営したかった様子も語られており、なかなか難しい問題ではある。
    • E.T.のゲームが凄まじいブラック納期な開発期間で超絶クソゲーとして発売され、ゲームの墓場に埋葬されるくだりが強烈過ぎる。返品文化のある国でのクソゲーは企業の存続に関わるレベルって思うと恐ろしいね。日本ではクソゲーだろうと売ったもん勝ちなところがあるので、文化の違いを感じた。
  • アタリショックでとてつもなく縮小したアメリカのゲーム市場をNES(日本名:ファミリーコンピュータ)が華麗に復活させる。
    • クソゲー乱発でゲーム機に凝りていた消費者に対しては、ロボット周辺機器と抱き合わせることで「ゲーム機じゃなくて家電なんですよ」というマーケティングで売ってたらしい。周辺機器は割としょうもない完成度だったとのことで、任天堂も黎明期はこんなあこぎな商売やってたのね。
    • マリオを生んだ宮本茂は「芸術家」で「天才」の若者と評されて登場している。アメリカから見た宮本茂ってこういう印象か~。
    • ニンテンドーオブアメリカの取った「うちが認めたゲームソフトじゃなきゃ販売させてやらない」方式も、アタリの大ゴケを見た後だと、一定程度の共感を持って聞ける話だなぁ。
  • NESでアメリカ市場を制した任天堂に、ホビー業界の伝説的経営者トム・カリンスキーを三顧の礼で迎えたセガが、ジェネシスで戦いを挑む。しびれるぜ。
    • 日本でもセガサターンとプレイステーションの時代に、互いに皮肉を言い合うCMの応酬でマーケティング合戦の様相を呈していたが、アメリカでも一足先にジェネシスとSNES(日本名:スーパーファミコン)でやっていたのね。
    • モータルコンバット(残虐フィニッシュ描写が売りだった実写版スト2的格闘ゲーム)の血を緑色にさせた任天堂と、赤色のまま販売を認めたセガ。これがアメリカ議会で問題視され、公聴会を経てゲーム業界によるレーティング規制へと繋がって行く。各社の議会での証言戦術も見どころになっている。議員の先生がよくわかってない文化に首を突っ込んでくる光景、どこの国も変わらんものだな。
    • 冴えない配管工のおじさんであるマリオに対し、クールな音速ハリネズミのソニックとマーケティング戦略で対抗して行くセガ。任天堂がスーツの会社でセガが自由な会社みたいに捉えられている点も「へぇ~」って思った。たしかに任天堂の人は名物コーナー「社長が訊く」にも作業着で登場する人が多い気はする。仕事着をきっちり着用するのは昔からの伝統なのか。
  • SNES対ジェネシスの時代を振り返ったところで、ソニーによる初代プレイステーションの投入で番組は終わる。
    • この時代ともなるとインタビューは少なめで、最初の$299って発表した価格は割とヤケクソだったとかの暴露話が聞ける程度。
    • プレイステーションの価格を聞いた当時のセガオブアメリカ社内はパニック、日本の本社からの指示が増えて裁量が無くなったのを嫌気したトム・カリンスキーもCEOを離れ、あとは僕らの知ってるセガ凋落の歴史へ……。悲しいなぁ。

アタリショックからNESの普及、そしてSNES対ジェネシスくらいまでがメインとなっていて、プレイステーション以降のハードに思い入れのある人には内容が物足りないかも知れないですが、僕は非常に楽しめた番組でした。2020年代もIT業界の世界をリードするであろうアメリカの強さや、歴史の繰り返しにも思いを馳せられる、学びのある構成と言えます。IT業界で働く人にもおすすめしたいです。


最近のツッコミ

  1. 雷悶 (2023-06-24(土)22:25)「新大阪駅で降りると必ず視界に入るサムティ行くしかないのか~?」
  2. ブリネル (2023-06-24(土)20:58)「次はサムティアンド箕面ビールツアーしかないっしょ〜 DIE WITH ZERO〜」
  3. 雷悶 (2023-03-08(水)19:02)「10年後にはリゾマンを購入している筈っしょ~(言うだけ)」

参号館  の中の  日記(ariyasacca)

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