6年前に同じ作者の作品『獣の奏者』をあまりに面白くて一気読みしていて、今回も『鹿の王』全4冊の合本版をKindle Paperwhiteを持ち歩きながら、あまりに面白くて一気に完読してしまった。
Kindle Paperwhiteで作品を開くと「この作品を読み終えるのに必要な時間はおよそ18時間」みたいに表示されて、実際に自分の読書時間を計測している訳ではないから18時間読んでいたのか不明ではあるけど、夢中になって読んだのは確か。ゲームで18時間はなかなか捻出できないのに不思議だね~。
強大な帝国・東乎瑠から故郷を守るため、死兵の役目を引き受けた戦士団“独角”。妻と子を病で失い絶望の底にあったヴァンはその頭として戦うが、奴隷に落とされ岩塩鉱に囚われていた。ある夜、不気味な犬の群れが岩塩鉱を襲い、謎の病が発生。生き延びたヴァンは、同じく病から逃れた幼子にユナと名前を付けて育てることにする。一方、謎の病で全滅した岩塩鉱を訪れた若き天才医術師ホッサルは、遺体の状況から、二百五十年前に自らの故国を滅ぼした伝説の疫病“黒狼熱”であることに気づく。征服民には致命的なのに、先住民であるアカファの民は罹らぬ、この謎の病は、神が侵略者に下した天罰だという噂が流れ始める。古き疫病は、何故蘇ったのか―。治療法が見つからぬ中、ホッサルは黒狼熱に罹りながらも生き残った囚人がいると知り…!?
たったふたりだけ生き残った父子と、命を救うために奔走する医師。生命をめぐる壮大な冒険が、いまはじまる―!
一級品のファンタジーであると同時に、架空世界で医療サスペンスをやってみせたようなスリラー的な面白さもあって、本当に夢中で読める物語です。
作者である上橋菜穂子さんは、あとがきで、本作は執筆に何年もかかった産みの苦しみも吐露しており、こんな超大作を読ませてもらって感謝しかない。架空の世界を設定するだけでなく、歴史や生き物に壮大な深みを与える創作というのは、想像を絶する作業だろうなと思う。
多分とんでもないページ数だった筈ですが、Kindle版はどこでも持ち歩いて読めてマジでおすすめ。
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