手がかりは孤島の研究所の事件ですでに提示されていた!大学院生となった西之園萌絵と、彼女の指導教官、犀川創平は、真賀田四季博士が残したメッセージをついに読み解き、未だ姿を消したままの四季の真意を探ろうとする。彼らが辿り着いた天才の真実とは?『すべてがFになる』の真の動機を語る衝撃作。
前作『四季・夏』から一気に作中の時間が経過して、『有限と微小のパン』よりも後の話になり、犀川&萌絵のコンビが、改めて『すべてがFになる』の密室に残されていたメッセージの謎に挑む。
以下、少しだけネタバレありの感想です。核心に迫ることは書きませんがご注意ください。
これまでも匂わせるような描写が度々あった、S&MシリーズとVシリーズの繋がりを一気に踏み込んで読者へ明示し、「これって後付けで考えた設定じゃないの!?」と唸るほどに古い作品からの伏線も次々と明らかになるので、森作品を読んで来た人にとっては大変なカタルシスを得られる。
個人的には、Vシリーズで何人かの女性とのロマンス多き人物として描かれていた保呂草潤平が、1人の女性を一途に追い掛けていた点が、意外であると同時にニヤニヤしてしまった。犀川と萌絵の関係は、相変わらず、のらりくらりと進んでいる感じで、これはこれで「あぁS&Mシリーズの2人だなぁ」と読んでいてホッとする。
『四季・夏』のラストが、相当前に読んだ作品へ繋がる終わり方だったので、思わず本棚から引っ張り出して
という順番で読み直したのだけど、作中で幾度が過去の事件への言及があり、結果として良かった(『有限と微小のパン』は読まなくても良いかも)。
足掛けで20作以上の長編シリーズを一気にまとめ上げるところは見事としか言いようがないのだけど、本作を含む四季シリーズを楽しむまでの前提条件がかなり大変というのは、何とも悩ましいところ。
今年は、かつてないほどの電力不足気味の夏になりそうということで、企業にも家庭にも節電が求められている。求められているし、節電した方が良いんだろうけど。
僕はもともと寝るときはエアコンは極力使わず(使うとしても1時間タイマー)、扇風機をゴーゴーとかけながら寝るタイプのスタンドなのだけど、通勤路(駅構内、地下街、電車の中)や職場で過渡に節電をされるのは無理。絶対に無理。6月なのに気温40度に迫った地域があったとか、どう考えてもおかしいし。あんまりやり過ぎると死人が出るぞ。
家では節電頑張るので、通勤中と仕事中は空調切らないでくださいお願いします。それか7月8月全部夏休みにして。そしたら毎日、公共施設の図書館へ行って、家ではエアコン使わないから。
エコポイント政策って全然魅力を感じていなかったけど、あれのお陰で省エネタイプのエアコンに買い換えた家庭が結構な数になるのかと思うと、複雑だ。
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