仮想化技術の一つであるDockerの使い方の解説書。
主にDocker初心者から中級者の方に向けて、Dockerの概念や基本から、実際にどのように現場で使えるのかまで、解説していきます。実際に現場で使っていそうな環境を想定して、そこに対してどのようにDockerを使っていけるのかを、具体的な例に沿って、実際に手を動かしながら、習得することができます。
2019-01現在、「Docker」という呼称が指す対象は広範に渡るが、本書は「アプリケーション開発環境構築」にフォーカスした内容となっている。
Docker ComposeやKubernetesといったオーケストレーションツールを活用するところまでカバーされていて、コンテナ周辺技術を一通り眺めてみるには良い教材なのだけど、途中に登場する「お題」の混迷ぶりや、サポートページの更新されてなさが致命的だと感じた。誤植が多いのに訂正情報がほとんど無いのはちょっと……。がんばって自己解決できる人なら大丈夫だが、少なくとも初心者が鵜呑みで写経しているとハマる可能性が高いと思った。
ちょくちょくお世話になりそうなのでメモっておく。
# TAGがnoneのものを全て削除 $ docker images -f dangling=true -q | xargs docker rmi # リンク切れボリュームの一括削除 $ docker volume ls -qf dangling=true | xargs docker volume rm # 終了済みコンテナの一括削除 $ docker ps --filter "status=exited" -q | xargs docker rm -v
書評するにあたって、あらためてChapter04とChapter05を読み返してみたが、やはりもっとお題のTODOアプリケーションを簡単なものにして良いと思う。何ならSinatraのような軽量なフレームワークを使った方が優しいのではないか。Rubyなら初心者にもそんなに難しくない。Node周辺技術はどんどん事情が変わってしまうので、かえって本書の内容が通用する賞味期限を短くしていて勿体ないと僕には感じられた。
何ページにも渡って掲載されているJavaScriptのコードも正直言って多過ぎる。これじゃNodeアプリケーション構築ガイドだよ。DockerもNodeも一緒に入門したい人には良いのかも知れないが。
Chapter01 + Chapter02 + Chapter06の内容で価格1,000円台であれば自信を持って初心者にオススメできるし、400以上もあるページ数も半分以下になって携帯性も高まると思う。
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