われわれの身の回りいたるところにある最小単位のインタラクションを「マイクロインタラクション」と定義し、トップダウンでなくボトムアップから磨き上げて行くことで、ユーザーの体験を劇的に改善できるという本『マイクロインタラクション UI/UXデザインの神が宿る細部』を読んだ。
トリガー、ルール、フィードバック、ループとモードの4つの切り口で、豊富なUI事例と共に良いデザイン、良くないデザインを紹介している。画面キャプチャーは全てフルカラーで、書籍の中でも多く言及されているOS X、iOS、Microsoft Officeといった著名なソフトウェア製品はいずれも2014年6月時点の最新メジャーバージョンだから情報の鮮度も非常に新しい。
書かれている内容はどれも最もだったけれど、最後のマイクロインタラクションの実践例という章で挿絵が一切登場しなくなり文字ばかりで辛くなってしまった点と、閑話休題的に登場するOS X Lionでの「別名で保存」をなくした大失敗例(「ルール」に関する失敗とされる)、スロットマシンをマイクロインタラクションまで分解して中毒性を解説した例(「フィードバック」で夢中にさせる絶妙さ)が本編よりも面白くてよほど印象に残ってしまった点がもったいないポイントでした。
『マイクロインタラクション』も面白い本でしたが、先に『スマートフォンのためのUIデザイン』の方がおすすめですね。
スマートフォンアプリのUIトレンドは緩やかに変わって行くけれど、本書は今でも通用する事例パターン集だと思います。2013年に感想を書いてますが、今でも時々UIパターンの逆引き本として広げてます。
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