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2019-03-16 (土) [長年日記]

[雑記]『管理ゼロで成果はあがる~「見直す・なくす・やめる」で組織を変えよう』

「上司なし・決裁なし」「経費は承認なく使える」「休暇は取り放題」「給与は一律、賞与は山分け、評価制度なし」「売上目標やノルマはなし」「働く時間も場所も縛りなし」「副業OK」ルールや数字に囚われずに成果を出し続ける秘密を全公開!

面白そうなタイトルと思って買ってみて、巻末の著者紹介を見たところ、長年ブログのRSSフィードを購読している株式会社ソニックガーデン 代表 倉貫義人のブログの中の人が執筆したものだった。

逆に言うと、本書は上記の社長ブログで書かれている考察記事を体系的にまとめた1冊と言い換えることもできて、ブログ購読者にとっては新しい発見は少ないかも知れない。僕自身も、「あれ、この主張はどこかで読んだな」と感じる章が多々あった。件のブログを知らない、IT業界で働く人にっとては、型破りな経営だがそこに至るまでの過程も存分に書いてあって面白く読めると思う。

以下は読書メモや読後の感想です。

  • 情報をオープンにする事の重要性と、それに伴って決裁をなくした話が印象に残った。
    • 経費精算を大小問わず全て社内公開しちゃえば、そもそも悪いことに会社のお金を使う人は居ないでしょという考え方。
    • ここだけ読むと「そんな性善説で大丈夫なの?」という疑問を当然持つのだが、後に続く採用の章で、最初は性悪説で臨んで「この人なら仲間になってもらって大丈夫」となったら信頼するという考えを読んで腑に落ちた。
  • 読み終わってからソニックガーデン社のウェブページを見たら社員全員のプロフィールが公開されていて、この透明性は本当にすごいなと感心した。
    • 辿って行ける情報の中にあったgithub.com/SonicGardenも少し眺めてみて、正直それほど技術的にとがった会社という印象は持たなかった。いち読者のくせに失礼な物言いだけど……(僕のキャリアにほとんどRuby開発が無いからそう感じたのかも知れないし、受託という形態ゆえに外に出せる技術に制限があるのかも知れない)。
  • 社長ラジオや社長ブログといった手段で社内外に発信するやり方は良いなと思ったし、こういう人が経営のトップだと楽しそう。
    • 日本でもPodcastが流行ってきてるし、メールやチャットなどの手段と比べてもクソリプの割り込みづらい「生音声」による情報発信は、企業でももっと活用されて良いと思う。
  • 上下のある組織でなくフラットな組織では、ホウレンソウ(報告・連絡・相談)よりもザッソウ(雑談・相談)が大事という主張も印象に残った。
    • 僕は結局のところコミュニケーションは総量なところがあると思ってて、たしかに普段から雑談できるような関係性の方が、相談も細かい粒度でできるよな~と頷く部分があった。
  • ソニックガーデン社が「すりあわせ」に使っているYWTメソッドは、1on1などの場でも使えそう。
    • 「やったこと」「わかったこと」「次にやること」の頭文字。KPTばかりだと形骸化しちゃうので、たまにこっちを採り入れるのも良いね。
  • 1人を採用するのに1年から1年半ほどの時間をかけるというやり方が1番目から鱗が落ちる思いだった。
    • 副業で一緒に働いてもらいながら、カルチャーフィットする人材か探るというのは、なるほどなぁと本当に感心した。
  • 「言うても35人ほどの組織サイズだから管理職ゼロが実現できるんでしょ~」という読者の疑問は当然あるし、僕も読んでて結局そこに行き着く。
    • 想定問答として、きちんと「拡大を目指していないし、無理な受注もしない」という回答が書かれている。
    • 上記の回答に納得できるか否かは別にして、こういうやり方ってどれくらいまでスケール可能なのかな、というのは単純な興味としてある。

数時間でサクッと読めるページ数ですが、情報の密度は高くて面白い本です。

SIerで悩んでる人が読んでも、階層型組織を爽快にぶった斬ってるくだりは爽快に楽しめるのではないでしょうか。

管理ゼロで成果はあがる~「見直す・なくす・やめる」で組織を変えよう(倉貫 義人)


最近のツッコミ

  1. 雷悶 (2023-06-24(土)22:25)「新大阪駅で降りると必ず視界に入るサムティ行くしかないのか~?」
  2. ブリネル (2023-06-24(土)20:58)「次はサムティアンド箕面ビールツアーしかないっしょ〜 DIE WITH ZERO〜」
  3. 雷悶 (2023-03-08(水)19:02)「10年後にはリゾマンを購入している筈っしょ~(言うだけ)」

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