Scrum Allianceによる公式の研修である3日間の「認定スクラムマスター研修」に参加し、研修をパスしてオンライン試験の受講資格を与えられ、オンライン試験も合格点に達して認定スクラムマスターとなった。
僕は熱心なアジャイルの信奉者という訳でもなくて、どちらかと言えば、テストコードも書かないのにアジャイルだアジャイルだと連呼している「なんちゃってアジャイラー」が苦手だった。苦手だった、というか、今でも苦手です。
ただ、自分のチームでスクラムを導入して、いつかのWEB+DB PRESSで知った星取表といった仕組みも実践して行くうちに、これは結構良いものかも知れないなと考えるようにはなっていた。とは言え、自身がスクラムマスターをやりたいとは思っていないし、志望したこともない。
そんな僕が今回の研修に参加することとなったきっかけは、端的に言えばタイミングと自身の好奇心によるところが大きい。どうもこの研修コースは1人30万円近い費用が発生するらしく、スクラムマスターを担当している社員向けに予算だけは確保してあったものの「そんなに高額な研修に参加して試験合格しなかったら恥ずかしい、会社に申し訳ない」といった人ばかりで、参加枠がずっと1つ余っている状況だった。
そこで研修日程の直前に社内トレーナーの人から「どうですか? 雷悶さんならきっと合格しますよ!」と勧められ、根がケチな僕は「(30万円の研修コースがタダだって!?) 参加したいです! 行きます!」と快諾したのだった。本音を言えば、自分達の実践するスクラムがどの程度正しいものか、答え合わせしたいといった気持ちもあった。
3日間ずっと缶詰めになっての研修は、はっきり言って毎日が吐きそうになるほど大変だった。軽い気持ちで参加したことをガチで後悔した。
しかしながら、講師を務めた認定スクラムトレーナー(CST)の人が教える内容はとても面白く、ためになった。自分としては以下のような内容が強く印象に残った。
特に最後のやつは痛快で、「あっ、これって僕が嫌いな、なんちゃってアジャイラーのことじゃん」と腑に落ちたのだった。
研修を通して、自分達がそこそこ上手く実践できていた点、ちゃんと理解できておらず上手く回っていなかった点を明確にすることができた。中でもプランニングポーカーの勘所(ポイントが揃わなかった時は、議論させるのではなく認識の差を述べさせる点)を復習できたのは大きかった。
スクラムマスターは組織にとってのサーバントリーダーであると解説された時も、「あ、大人気ポッドキャストで度々登場するサーバントリーダーって、アニメの話ばっかりでサッパリ意味分からなかったけど、こういうことか」と初めて理解した。自律的なチームを作るための奉仕者みたいなことだったんだな。
研修後に受けたオンライン試験は35問の4択回答方式で、研修内容をよく思い返せば確実に回答可能な設問もあれば、初見のように感じられる設問もあった。32問正解で合格できた。これから受ける人には、なるべく研修の記憶が鮮明なうちに挑戦する方が良いと僕は思った。
20名以上だった参加者の大半は、僕と同じように、会社から費用負担してもらっての参加だったが、中には自腹で参加しているソシャゲ業界の人も居て、(皮肉ではなく)意識高いなぁと感心したのだった。自腹だったら僕はとても参加できないよ……。株式投資に回しちゃうよ。
あらためて実感したのは、日本のIT業界では人脈ツールとしてFacebookが大事なポジションにあるという点だ。
参加者の中で、セガの人を見付けて、セガのファンボーイである僕はミーハーな気持ちで名刺をもらったりFacebookで友達になって喜んでいたが、後になって今回Facebookで繋がった面々を見返してみると、IT業界で名の知れた大企業の人や、WebスタートアップでCTOを務めている人など、色んな人との繋がりが出来ていた。こういった効果は研修参加前の期待値として持っておらず、思わぬ収穫になったと感じたのだった。
余談だがセガの人は『龍が如く』シリーズに関わっていて、「すみません、『シェンムー』なら遊んだんですが……」と、自分が『龍が如く』を遊んでいなかったことを後悔した。正直に「もう据置機を遊んでません、でもセガが据置ハード出したら買います」と平謝りしておいた。謝るように見せかけて遠回しに新しいセガハードを要求しており、かなりウザいし重い。
話をFacebookに戻すと、いつか管理職業務に嫌気がさして現在の会社を辞めてしまったとして、今回できた人脈から思わぬ新天地が決まることだってあるかも知れない。LINEではこんなことは起こりえないよね。だってLINEは同窓会とかの日取りを決めるためのツールだからな!
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