ariyasacca

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2015-01-04 (日) [長年日記]

[投資]『マーケットの魔術師 - 米トップトレーダーが語る成功の秘訣』

Kindleでセールが行われていて500円くらいになっていたのを買って積んであったのを年末年始の休暇で読んだ。かなり面白かった。

読み終わった今では通常価格の3,000円で購入して読んでも価値のある本だと言えるが、3,000円ではケチな僕は必ず買わないので読むことは無かっただろう(自己矛盾)。

「本書を読まずして、投資をすることなかれ」とは世界的なトップトレーダーがみんな口をそろえて言う「投資業界での常識」である!

世界有数のやり手トレーダーたちは、いかにして年間―場合によってはほんの数時間で―数百万ドルも稼いでいるのだろうか?彼らの驚くべき成功の裏に隠された秘密とは?ジャック・D・シュワッガーが本書でインタビューに成功した、驚くべき人物たちのプロフィールを一部だけ紹介しよう。

・マイケル・マーカス 3万ドルの口座を8000万ドルにまで膨らませた猛者

・マイケル・スタインハルト マネーマネジャーをしていた21年間の平均年間収益率が30%だったヘッジファンドの帝王

・トム・ボールドウィン 2万5000ドルを手にトレーダーに転身し、1日に20億ドル相当のTボンド先物をトレードするスーパートレーダー

・ポール・チューダー・ジョーンズ 複数ある彼のファンドは5年連続で3桁の収益率を記録しているチャンピオントレーダー

・エド・スィコータ 16年間で25万%という驚異的なリターンを実現したトレードの達人

Amazonの内容紹介にある通り、とてつもなく儲けた伝説的トレーダー達へのインタビュー本ではあるのだが、本書のインタビューが刊行された時代が1987年の大暴落(ブラックマンデー)が起きた後で、かつ日本は空前のバブルに沸いていた時期と云う点を押さえておく必要がある。

扱われるトレードの種類は株式に限らず先物取引(コモディティから株価指数先物まであらゆるもの)、債券、為替と幅広い。スーパートレーダーはあらゆる市場で稼いでいるのだろう。

著者がジム・ロジャーズへのインタビューで「トレーダー」の定義に言及していたので引用しておく。

私の定義では、「トレーダー」とは株式市場がどちらを向いているかその方向性に注意を向ける者であり、「投資家」とは市場全体を上回る成績を上げられる銘柄を選択することに注力する者である。言い換えれば、投資家とは常にロングであり、トレーダーはロングもショートもする。

各人へのインタビューで設問として1929年のウォール街大暴落と1987年のブラックマンデーをどう過ごしたか尋ねられていて、ぶん投げた人、素早く損切ってダメージを抑えた人、逆バリで信じられないような利益を出した人(素人が参考にしてはいけない)、それぞれの心理状態が語られてとても読み応えがある。2015年の今に読んでも、彼らのタフな信条は(真似できるかは別として)参考にすべきものだと考えられる。当たり前だけどリスク管理の重要性と、「相場に参加しない」選択肢を取れることの勇気についても何人か語られており印象に残った。

空売りやってみたいとずっと思っているのだけど、「買うことの3倍難しいよ」と言及されているのを見ると、やはり素人が手を出さない方が良いかなと臆病風に吹かれてしまう。

また、この時の日本って、先にも書いたけどバブル絶頂期で、アメリカでは当時の日本人がちょうど2015年の今で言う中国人富裕層のように見られていた点も興味深く読んだ。イナゴ的なトレーダー気質とか、現代と全然変わってねえ……。

あと、巻末の用語集もなかなか面白くて、市場用語って和訳がかえって理解を妨げているパターンもあるのかなと感じた。

  • うまく言い表しているなと思った用語
    • 手仕舞い( = Cover)
      • たまにショートカバーなんて元の用語が使われることもあるけど、「手仕舞い」「手仕舞う」は直感的で伝わり易いと思う。
    • 先物( = Futures)
    • 出来高( = Volume)
    • 転換日( = Reversal day)
  • これかえって分かり難いんじゃないのと思った用語
    • ダマシ( = False)
    • 窓( = Gap)
      • ギャップのままでええやん。
    • 建玉制限( = Limit position)
      • そもそもポジションを建玉と呼ぶのが非常に分かり辛い……。
    • 呼値( = Tick)
    • 枚( = Lot)

Kindleで読むとなかなか実感し辛いのだけど、これ電子化される基となった作品は、かなり厚い本だと思います。

読む時は腰を据えてかかるのがおすすめ。

マーケットの魔術師(ジャック·D シュワッガー)


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