iOS 7から変わった点までバッチリ網羅されてると評判だったので読んだ。
iOSアプリ開発者って、アプリを作ってみる段になって、その場しのぎに一つ一つ調べながら実装して行くことが多くてUIKitを体系的に学んでる人って少ないと思っているんだけど(僕もまさにその一人)、この本はUIViewControllerの役割やUIViewやUITableViewCellのサブクラス化してカスタムビューを作る時に注意すべき点まできちんと書かれていて、「今までのやり方で合っていたのか」「あのオーバーライドにはこういう意味があったのか」と、答え合わせをしている気分で読めた。
UITabBarが一定数以上のタブを並べると一箇所のタブにその他タブとして固められるとか全然知らなかったし、後半に出て来るUITableViewControllerやUICollectionViewControllerを使ってアプリを作って行く流れも参考になる。
あと、StoryboardとAuto LayoutというXcodeの二大潮流には完全に乗り遅れている開発者なので、知識のアップデートにもなって良かった。
常々「StoryboardだとSegueとかいうので画面遷移するらしいけど、結局データの受け渡しとかどうやるんだよ!?」って、誰に聞けば良いのかも分からなくて悶々としていたのだけど、回答がズバリ載ってて助かった。こういうUIViewControllerのライフサイクルってなかなか日本語の解説が無いのでありがたい。
刊行時期から言って当たり前だけど、iOS 8については触れられていない。しかしアプリを書くプログラミング言語が徐々にSwiftへシフトして行っても、UIKitというフレームワークを使ってUIを実装して行くことは何ら変わらないのだから、この本を読んでおく価値はある。
中級者向けを謳うだけあって、出て来るサンプルコードも、いちいち解説は入らないけど、当たり前のことが当たり前のように出来ている(インスタンス変数でなくプロパティを使う、プロパティの属性を正しく選ぶ、#pragma markでdelegateなどを論理的なコードブロックにまとめる、Protocolの引数を正しい慣例で名付ける、メッセージ式の字下げをコロンで揃える……などなど)Objective-Cコードになっているので、Objective-C & iOS 7時代の総括本としてもためになると思う。これ出来てない人は過去の自分も含め、めちゃくちゃ多いです。
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