理由あって上方から江戸へ流れてきた双六売りの又市は、根岸の損料屋「ゑんま屋」の手伝いをすることに。この店はれっきとした貸物業、しかし裏では、決して埋まらぬ大損を大金と引き替えに仕掛けであがなう…という稼業を営んでいた。渡世仲間らと共に、若き又市が江戸に仕掛ける妖怪からくりの数々。だがついに、とてつもない強敵が又市らの前に立ちふさがる。やるせなさが胸を打つシリーズ第4弾、百物語はじまりの物語。
怪異を仕掛けて人助けを行う一味の物語、巷説百物語シリーズの4作目。
とは云え、時系列では最も古く、後のシリーズでは大仕掛けを連発する又市の、駆け出し時代の青臭い成長期を描いており、出版社の紹介文にもある通り、シリーズはじまりの物語となっている。
悪人を罠に嵌める仕掛けはシンプルで、仕掛けた本人も後々になって後悔するような詰めの甘さを見せるものの、激情的で熱い、若い頃の又市の性格や、彼が徐々に妖怪の知識を得て仕掛けの図面に利用して行く様や、シリーズ本編の仲間たちに負けず劣らず魅力的なゑんま屋の面々など、読みどころは多い。
いつも賢明で気丈なゑんま屋の女主人お甲さんに、柔和で武器を持たぬが凄腕で相手を仕留める仇討ち屋の山崎寅之助さんと、魅力的な人物については、幾らでも挙げられそうなほど。収録されたエピソードの中では、又市が覚悟を決めて啖呵を切って仲間を助け出し、それでも己の力の無さを悔いる『かみなり』が一番好きだ。
『巷説百物語』『続巷説百物語』を読まずに、まず本書から読んでも読者が置いてけぼりにならないように、かなり細かく配慮されている。もちろん、先の2冊を既読の人が読めば、又市がどのようにして御行の二つ名で呼ばれるようになり、様々な人物と因縁を持つようになったのかが次々と判り、カタルシスが得られるような仕掛けとなっている。
すごく面白かったので一気に読んでしまった。と同時に、『巷説百物語』『続巷説百物語』を再読したくなってしまった。
ちなみに文庫版あとがきは、結構ひどい具合でネタバレのオンパレードなので、絶対に最初に読んではいけない。
暖かくて着心地も良く、気に入っているユニクロのヒートテックVネックTを、もう2着ほど買いたいなぁと思っていて、正月休みの間に数軒回ってみたのだけど、どこも売り切れてしまっていて買えない。
別に今すぐ欲しいという訳でもないんだけど、
といった、他のヒートテック製品は山ほど店頭在庫が積まれているのに、自分の欲しいタイプだけ品切れというのが気に食わない。
この傾向は愛知だけなのだろうか。ううむ。
そういえば、scrobbleした累計だと、おおよそどんな感じなんだろう? と思って、2011-01-01は過ぎてしまったけど、本日時点で、過去12ヶ月のアーティスト別再生数を確認してみた。
まるで成長していない・・・・・・(C)安西先生*1
Sentencedとか、もう何年も前に解散していて、メンバーに不幸があったからほぼ復活する可能性も無いのだけど、やはり冬になるとアルバムThe Cold White Lightを聴かずには居られないのですよ。「北欧」と聞いて思い浮かぶイメージの全てが音で表現されてるんだよね。
*1 いつも聴いてるのと同じという意味で
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