子供のためと称して子供から権利を奪うな。最悪。
僕が最初に就職した会社には、ウェブサイトのフィルタリングが導入されていた。コンテンツフィルタとか呼ぶんだったかな。日本の多くの企業で導入されていると思うが、特定の条件に合致するウェブサイトは、会社からは一切アクセスできない。これがフィルタリングである。
それからも、「業務に無関係なウェブサイトは有害。閲覧できたら社員の生産性を落とす」の大号令のもと、どんどん見られるウェブサイトは少なく、狭くなっていった。
ついには、僕が参考にしていたHTMLやCSSを解説した個人のウェブサイトもフィルタリングの対象になってしまった。フィルタリングの理由は「反社会的」と表示された。単に旧字体*1で綴られているという理由で、右翼的な思想だとみなされて規制の対象となってしまった。
会社から覗けるインターネットの世界は、限りなく狭くなった。グーグルの検索結果の中を、リンク先が規制対象に含まれていやしないかビクビクしながら情報を探すのは、さながら地雷原の中を進むようだった。
フィルタリングの経験から学んだことは、次の2つである。
その会社はもう辞めてしまったので、フィルタリングが今どんな状況なのかは分からない。少しは基準が緩くなったかもしれないし、さらに酷くなったかもしれない。
今でもキッズgooとか馬鹿みたいなサービスがあるけど、子供に見せないという考え方がダメ。どうしようもなくダメ。
子供が見たいと思うものを見せて、情報の受け取り方を学ばせないと。他人が有害認定した情報を見せないで純粋培養して、明日のグーグルを作るかもしれない子供の可能性を潰すのは止めた方が良い。
子供の見られる世界を狭くするな。
子供のためと称して子供から権利を奪うな。
*1 正字と呼ぶのが正しいのかもしれない。
最近のツッコミ
参号館 日記(ariyasacca)
そのうち(ブログで)やろうと思っていたのですが<br>「なんとなく正しいことをしていると言う思い込み」<br>が<br>「大多数の素人」を動かしている、ように見えます<br>・ゲームは悪そうだから駄目だ<br>・ロリコンは犯罪者予備軍だから、ロリマンガも規制<br>・子供がネットから犯罪に巻き込まれるからフィルタリング<br>この辺が分かりやすいところだと思います<br>それぞれ<br>・ゲーム脳が犯罪を助長する!<br>・ロリマンガが児童への性犯罪を助長する!<br>・ネット=悪=犯罪〜<br>と言えば、なんとなく正しいように聞こえてしまう<br>素人には正しいように思えてしまう、反対すると反社会的に思える<br>表面だけ見れば正論に見える、と言うのが問題なのかなと思います<br><br>一部の識者が反論を唱えても、数で潰すか、異端だと言う世論に<br>持って行くか、で潰してしまう<br><br>難しいところですが、誤解覚悟で結論を述べれば<br>思った以上に頭の悪い奴は多い、そしてそんな奴らが<br>法律を始め、ルールを作っている。と言うことだと思います<br><br>私の気持ちとしては、最終的に本当の最悪にはならないだろう<br>と楽観しています。根拠は「そこまで馬鹿じゃないだろう」という<br>言わば「性善説?」
ユーキの意見に意見を付け足すイメージで。<br>「知らないこと」が不安を煽っているということだと思います。<br>たとえばネット詐欺が流行ったとき、ネットの危機管理について騒がれたわけだけども、<br>被害総額では電話を使ったオレオレ詐欺のほうが圧倒的に多かったわけです。<br>それでも「電話って危険だよね」といわれないのは、電話について皆知識があるから。<br>ネットについては知らないから不安なイメージから入ってしまっっている。<br>ゲーム脳とかもそういう側面があると思います。やったことのない奴ほど騒ぐ。<br>そういう意味でユーキの意見に賛成。<br><br>ただ、事実は事実として抑えておきたいのはまた確かであって、<br>例えばアメリカのコンテンツフィルタ導入後の調査によると、<br>平均して40%も業務効率が向上したという報告があるそうです。<br>(ソース:うちの会社の情報システム部門の発表ww)<br>どんなものでもそうですが、全てのモノ自体にメリット・デメリットはあるわけで、<br>1か0かというような決め事ではないよなあという気がします。<br>雷悶の前いた会社は、そこんところの線引きを怠ったことが問題なのかな、と。
>ユーキ<br>大多数の人はゲームやらポルノやらが悪いわけじゃないと分かっている人で、尚且つ、いくら何でもそんな規制にはならんだろうと楽観しているのだと思います。<br><br>サイレントマジョリティ(この言葉キライなんですが他に巧い言い方が見付かりませんでした)というやつ。そのせいもあって、ルール作りをする立場の人が増長している面はあるでしょうね。<br><br>あとネガティブな声は目立つよね、単純に。<br><br>>かわはら<br>コンテンツフィルタによって業務効率が向上するとはどうしても思えないので、置いておいて(業種にもよるでしょうが)。<br><br>例えば機密情報を外に出されるという脅威を防ぐなら情報のポストを禁止すれば良いのであって、情報の参照を禁止する理由としては弱いと思います。<br><br>フィルタリングの嫌なところは、「どうせ経営者やセキュリティ管理者は社員のことを信頼してないんだ」とか「また禁止サイトに引っ掛かってしまった。自分は悪いことをしてしまった」みたいな感情が増幅されてしまうところです。ある種の罪悪感みたいなものを、わざわざ子供にまで植えつけることにならないか非常に心配です。<br><br>結局のところ、子供がとあるサイトで悪い大人に騙されたということが起きたら、サイトへのアクセスを禁止するんじゃないくて、悪い大人に厳罰をくだしてやれば済む話だと思うのです。抑止力として大々的に発表してやれば良いのです。このクソ野郎は子供を騙していました、って。<br><br>本質を分かっていない人ほど、よく分からないから規制しよう、臭いものには蓋をしようといって騒ぐというところは同感です。
サイレントマジョリティは統計とかを丸々否定するのに使えてしまうので<br>補足で「全部に該当するわけじゃない」ぐらいのことは書くべきだったと<br>ちょっと反省してます
サイレントマジョリティという単語の万能感が嫌ですね。本当は居ないのに、そこに居るみたいな印象を与えるというか。<br><br>他に最近気に食わないのが、コモディティ化、見える化、などなど。使えば「それっぽさ」のあるやつが嫌です。