ariyasacca

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2020-06-07 (日) [長年日記]

[時事ネタ][投資]ニューノーマル(新常態)で暮らしや働き方の変化は起きるのだろうか

新型コロナウイルス(COVID-19)が当たり前に共存する世界(withコロナ)や収束後の世界(afterコロナ)を指してニューノーマル(新常態)が盛んに議論されている。日本だと「新しい生活様式」などと表現される。

個人的に、「New」「新しい」といった形容詞は時代の節々で変化し得る物差しであり、あまり多用すべきでないと思っていて、正確性を考慮してバージョン番号や年式で表した方が良いと考えるのだが、2020年6月現在では他に適切な表現を思い付かないため、ここではニューノーマル(新常態)を用いて、自分の観測範囲で考察してみたい。

テレワーク(在宅勤務)は日本ではそれほど定着しない

ぶっちゃけ、僕自身も日記での表現がブレブレなのであるが、以下を包括して「テレワーク」としたい。

  • 在宅勤務
  • 在宅ワーク
  • リモートワーク

メディアでは、主にアメリカのテレビ会議システム提供の「Zoom」を特集しながら、テレワークをニューノーマルにおける働き方として報道しているが、日本では一時的なもので多くの企業は従来通りのオフィス集約型労働に回帰するのではないかと考える。この部分についてとくに深い考察は無いのだが、TwitterやFacebookで観測する限り、勤め先でのテレワークは緊急事態宣言に伴う一時的な措置で、日常に戻る人が多いように見受けられるからである。いわゆる緊急事態宣言「やってる感」のためのテレワークという印象。

ただ、一部のIT企業ではテレワークが従来以上に積極的に取り入れられることになるだろうと思われる。僕の勤め先は、もう4ヶ月に渡って社員にテレワークを推奨しており、もしかすると2020年内はずっとテレワークが働き方の中心になるかも知れない。近いうちに新しい働き方の方針が示されると予想している。

本気のテレワークにはお金がかかる

もう日記に散々書いてきたのだが、本気でテレワークしてまともな生産性を発揮しようと思ったら、お金がかかる。自分の場合はここまでおよそ20万円かかっているし、これは決して低い金額ではないと思う。例えばテレワークを機にまともな椅子を導入しようと思ったら、新品購入で10万円はかかる。そういうものである。

よって、経営が真剣にテレワークへのシフトを進めようと計画している企業なら、何らかの補助を社員にしているだろうし、前述の「やってる感」演出のための措置であれば、「手のひら返し」で緊急事態宣言の解除に伴って早々に社員へ通勤を再開するよう呼び掛けていると予想する。

その上で、テレワークが推進される業態における変化を考察してみたい。

郊外への移住が進む

半強制テレワーク生活が始まって意外にびっくりしたのが、そもそも「テレワークに適した部屋が無い」人が多いことである。これは独身の人は対象外で、もっぱら核家族の家庭、とくに子育てを優先していて、子ども部屋はあるけど親世代の書斎は無くてリビングでしか仕事ができないようなケースである。

都市部の家賃が高いことは分かっているつもりだったが、分譲マンションでも部屋数はそれほど多くないらしい。さらに、高層マンションにおいてはVDSLが一般的で、光回線を引こうと思うと大家さん or マンション管理組合の許可が必要になってくるようだ。VDSLの部屋に住んだ経験は無くて想像が難しい。入居者の声を聞く限りでは、実行速度で100Mbps近く出る人も居れば、10Mbps程度しか出ない人も居るようだ。集合住宅はインターネット回線以外にもガチャ要素(上下階や隣室住人のモラルや周辺工事環境など)が多く、テレワーク中心にシフトして、郊外の広い住宅を志向する人が増えても不思議ではない。

通勤時間の短縮や、ライブ・コンサートといったイベントへの行き易さを考慮して都心部に住居を構えていた人にとっては、通勤やイベントの自粛に伴ってメリットが消失してデメリットが重く感じられるだろうし、地方都市も候補に挙がってくるだろう。

地方都市の低階層住宅でも最大10Gbpsや5Gbpsの光回線プランが選べるようになってきたし、そもそも最大1GBpsの光回線(うちはこれ)でもテレワークには十分なスペックである。僕も学生や新社会人の頃に名古屋市で部屋を借りてADSL(実行速度2-3MBps)やCATV(実行速度7-8Mbps)を契約していたが、地方でも当たり前に光回線が使われるようになった2010年以降は、隔世の感がある。オタクにとってインターネット回線の速度は人権なのだ。

いきなり危険なリゾートワークを考える人も居る

何故かいきなり大自然に憧れて、僻地や離島への移住を検討し始める人も居る。これはかなり危険だと思う。

まず、地方(日本における東京のような都心部を除いた地域)というのは、車社会が基本である。僕もテレワーク勤務になって、車を運転する機会が異常に増えている。夕方に仕事を切り上げて車で買い物に出ると、かなり身体が疲れていて「あ、これ、長距離の運転は危ないな」と感じることも多い。車通勤に憧れたこともあったけど自分には無理だと実感した次第である。鉄道通勤の方が圧倒的に安全だわ。車通勤で被害者にも加害者にもなりたくねぇ……。

とにかく「通勤が無いなら僻地や離島へ移住!」というのは、かなり危険で、インターネット回線が未だADSLな環境もあるし、自家用車が無いとスーパーや病院といった生活インフラにアクセスできなくて詰む危険もある。郊外移住するなら、都心部から見たベッドタウンが、鉄道・バス中心でもある程度の移動手段が確保できて無難であると思う。

オフィスは都市部に残して欲しい

ここからいきなり考察というよりは願望になる。

個人的には、社員が1カ所に集まって協働する場としてのオフィスは、都市部に残っていた方が良いと思っている。残して欲しい理由は本当に色々あって、やはりコミュニケーションにおける非言語情報の多くは、Zoomに代表されるビデオ会議では全てを賄えないから、同じ場所で同期的にコミュニケーションした方が良いケースは多々あると考えているし、一部の人が重視する「あの一等地で働いている自分」みたいな価値観のためでもある。他にも、オフィスで提供されるネット回線・空調・社員食堂などなどが利用できるというのもある。

GMOインターネットのケースは、自分にとって理想に近くて、「オフィスの拡張(移転)は今後しないが、イベント活用のためには引き続き維持するし、社員はオフィスでの定期的なイベントに参加できるならどこに住んでも構わない」とする方針である。All hands的なイベントを実施する場としてオフィスはあった方が良いし、その上で社員の暮らす自由度を最大限尊重するというのは、理想的であると思う。

また、株主総会の多くも、基本は都市部で開催されるので、通勤のための定期券とかが支給されると、株主総会に多く参加したい自分が助かるという下心もある。

株主総会は半分ネタとしても、真面目な話、例えば社員が100人居たら、20人くらいは「どうしてもテレワークに馴染めない」「家庭の事情でテレワークはできない」という人が含まれると思うし、そういう人がパフォーマンス発揮するためにもオフィスはあった方が良いのではないか。

まとめ

日本でテレワークを推進する企業は、メディアで言われているほど増えないと思うし、住宅環境から考えてもなかなか難しいというのが実情である。

ただ、住宅の選び方は、ドラスティックでなくても緩やかに変化して行くだろうし、例えばモバイル通信の5Gが普及すれば、光回線が引けなくてもテレワークに適した環境が整って、より自由な住宅の選び方を志向できるかも知れない。

その上で、協働作業の中心地としてのオフィスは、IT企業には維持した上で、社員に自由な働き方を選ばせて欲しいというのが僕の主張である。

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東浦10キロマラソンの会 (2020-06-15 (月) 22:25)

週1~2日はテレワークしたい。

雷悶 (2020-06-17 (水) 20:58)

>東浦10キロマラソンの会さん<br><br>ゲリラ豪雨の時期は電車止まるのが心配だからテレワークを多めにするとか、真冬は寒いから空調のしっかりした会社へ行くとか、臨機応変に切り替えられると理想ですね。


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  1. ともお (2024-05-29(水)20:59)「真上からの恐怖🫨」
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