GWは暖かくなると予想していたのだが意外と肌寒い。午前中から既に南知多ビーチランド周辺が渋滞でひどいことになっていると聞いて、今日は車を運転しないでおこうと決めた。
積読をひたすら読んで消化していたものの、次から次へとKindleセールが告知され、半額になっている本をポチポチと買ってしまって結果として積読の量は増えているのだった。
夜にNHKスペシャルの平成インターネット特集みたいなやつが放送され、居間で見ていたら、フランスに移住した2ちゃんねるの創始者ひろゆきが突然登場して、ワイン片手にインタビュー応えてて「フランス気取りか!」などと楽しく視聴した。
話題になっていた本で、自分自身も興味を持ったため読んだ。僕がこの手のベストセラー書籍を読むのは極めて珍しい。
ファクトフルネスとは――データや事実にもとづき、世界を読み解く習慣。賢い人ほどとらわれる10の思い込みから解放されれば、癒され、世界を正しく見るスキルが身につく。
世界を正しく見る、誰もが身につけておくべき習慣でありスキル、「ファクトフルネス」を解説しよう。
著者は「途上国」と「先進国」という二元論をやめて、世界を4つの発展レベルに分類しようと呼びかけ、最貧レベルだったレベル1の国は年々減っていて、世界はゆっくりと確実に豊かになっているデータを提示し、事実に基づいて世界を正しく認識しようと主張している。この書籍そのものも想定読者として「レベル4」の国に住む人をターゲットとしていると述べている点も興味深い(つまり日本はレベル4なので、こうやって邦訳書で読むことができる)。
人間の陥りがちな認知のズレや歪みについて、医師として様々なレベルの国で暮らした著者自身の経験やエピソードから考察と紹介がされている。読む前は「データの本なのかな」という印象を持っていたが、本論はリテラシー教育なのかも知れない。
日本と韓国の人だけが、他の国に比べて、世界でこの先も子供の数が横ばいであることを言い当てているという辺りも、データの回答としては正しいが、実際は少子化の進んでいることによる悲観的な世界の捉え方をしているようにも読み取れて、興味深かった。
僕はどちらかというと楽観論者だと自認しているものの、本書を読むまで世界の統計について正しい見方ができていなかった点が多々あって、やっぱり義務教育で教わった時点の知識で固定化されてしまっていてアップデートされていないんだろうなと反省したのだった。センセーショナルな報道(本書の表現を借りると「ドラマチックな」報道)があった時にも、一歩引いて考えてみる視点を教えてくれる本で、売れているのも頷ける。
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