2017年に最終巻16巻がリリースされ完結した『それでも町は廻っている』の、作者による公式の解説本というか副読本というか攻略本というか、『公式ガイドブック廻覧板』を読んだ。
作者による単行本の全表紙および全エピソードと時系列の解説、また単行本に未収録のエピソードとカラーイラストが網羅された、とても豪華な内容であった。
漫画家の巨匠によく聞く事例であるが、「生み出したキャラクターが勝手に動き出す」系の話が本書でも見られ、何だか嬉しくなってしまった。作者によると、とくに主人公の歩鳥とクリーニング屋のコブ平ががよく勝手に動き出してしまうらしい。
解説対象である作品『それ町』は各エピソードが時系列シャッフルされていてネット上でも話題になっているが、作者による解説で、シャッフルするメリットや、連載に先立ってあらかじめ用意されていたシリーズ、また意図せず生み出すことになったオリジナルのエピソード、3.11に立ち会った時の話などなど、非常に濃い内容となっている。
歩鳥とタッツンとの対決や、紺先輩との関係性、静ねーちゃんの正体を連載のいつ明かしたか、といった読者なら気になる裏話が作者本人の解説で読めるのは、とても贅沢である。最終回の解釈についても一定の整理が付けられて、とてもスッキリする内容となっている。
収録されてる各種解説の中でも、僕が特に面白いと感じたのは、表紙の話であった。
単行本中のカラーページはいわゆる「アニメ塗り」っぽい『それ町』であるが、表紙だけ雰囲気が異なって感じられるのは、絵の具で塗っていた事が要因だったらしい。
本書『公式ガイドブック廻覧板』では、表紙の制作風景も収録されており、僕らの中学生時代にもお世話になった絵の具用具がそのまんま登場しているのには驚いた。
あと『それ町』3巻の表紙に「1」に見えるモチーフを入れてしまったために、1巻と勘違いして3巻を購入してしまう事故が起きてしまい、以降は巻数と一致する数字モチーフを取り入れるようになった話はとても面白く読んだ。たしかに3巻の表紙、漢字の「一」がデカデカと入ってるようにも見える。
未収録エピソード4編が収録されていて、うち2編が4ページ分を1ページに載せる方式になっていて、自分のKindle購入した電子コミックを読むiPad mini 4では小さくて読むのが難儀だった。紙の本はA4サイズなので、このサイズで問題が無いっぽい。
iPad miniサイズでなくiPad Proだったら、いい感じに読めたんだろうな~と欲しくなってしまった。2019年もPayPay祭りやってくれ~~~ 頼む~~~ このマジカルデバイスで「再読の手引き」に沿って『それ町』を全巻読み返すんじゃ~~~
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