ariyasacca

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2015-03-14 (土) [長年日記]

[雑記]『ツイッター創業物語 金と権力、友情、そして裏切り』読んだ

ツイッター創業物語 金と権力、友情、そして裏切り(ニック・ビルトン)

世界を変える力さえ持つ「140字のつぶやき」はどうやって生まれたか? 思いがけない創業、仲間の裏切り、そして世界3億人のユーザーを獲得するまでの軌跡を、4人の共同創業者を軸に描き出した全米ベストセラー!

Twitter創業期から成長期(「ハドソン川の奇跡」や「イラン革命」など)まで、3回に渡ってCEOが交代するまでを描いたノンフィクション小説。Twitterにジョインしていた多くの人物にインタビューしており、ノンフィクションを謳ってはいるものの、全部が全部本当の話かどうかはちょっと分からない。熱量だけを頼りに潰れるかどうかの瀬戸際からTwitterというサービスを創り上げたスタートアップが、「大人の大企業」に脱皮するまでのドロドロした権力争いを描いている。

エヴァン・ウィリアムズ(エブ)
GoogleにBloggerを売却した後でTwitterを作るスタートアップに出資、成長期のCEOを務めた後で権力争いに敗れて去る。Bloggerの時に得た資金が山ほどあるので、作中ではポンポンと気前よく金を出し、争いを好まない良い奴というポジション。決断力が無い。
ジャック・ドーシー
Twitterの「ステータスをアップデートしてブロードキャストする」アイディアからプロトタイプを作る。一度はCEOの座をエブに追放されるが陰謀を巡らせて戻って来る。Squareも創業した物凄い実業家なのだが、本書では暗いITオタクで女性ストーカー、ジョブズに傾倒してジョブズの真似をしてる後追いみたいに描写されている。

序盤は「Twitter」の名付け親でもあるノア・グラスも絡むが、彼がさっさと追放されてからは、エブとジャック両名の権力争いが中心となる。友情こじれ過ぎだろうとドン引きするくらい仲悪い。まぁベンチャーが成長する時ってこんなものなのだろうか。

Twitterのアイディアを社内ハッカソンで実装してみて、サービスとして成長して行く過程はかなり面白い。恐ろしく低い評価額で買収話を持ちかけるYahoo!のお偉いさんも、捨て台詞に「うちのエンジニアならTwitterなんて遊びでも作れる!」みたいな事を言ってて、こういう驕りが大企業を駄目にして行くんだろうなぁという感じ。

何度か登場するFacebookのマーク・ザッカーバーグが相当な悪役として描かれている点も面白かった。マークは文字通りのメガベンチャーFacebookの創業者であり、本来であれば他の物語における主役級の人物なのだけど、Twitterの物語においては、彼もまたTwitterの買収を目論む野心深い成金な若者として出ている。

翻訳も軽妙で、CEOとしてエブを教育する何とかっていう伝説的人物のオッサンも、原著でFuck連発してるらしく、「まったく投資家はくそだぜ」「お前のプレゼンはくそ最高だぜ」みたいに訳されてて笑える。

エブはTwitterを「ウェブサービス」として成長させたくて、ジャックはモバイルメッセージングこそが成長の鍵だと考えていて、どちらがTwitterを率いているかの時期かによって、力を入れている分野の違いにも良く表れているように見える。

他にも、政治などの話題にはTwitterというサービスを中立で保とうと訴えるビズ・ストーンの高潔さ、2015年現在の3rd party締め出しの姿勢にも繋がって行きそうな、周辺サービスが成長する前に買収してしまえみたいなエピソードも印象に残った。

仲の良い人を優先的に重要ポジションへ据えると、後から手痛いしっぺ返しを食らうぞ、というのがこの本から得られる教訓である。


最近のツッコミ

  1. 雷悶 (2023-06-24(土)22:25)「新大阪駅で降りると必ず視界に入るサムティ行くしかないのか~?」
  2. ブリネル (2023-06-24(土)20:58)「次はサムティアンド箕面ビールツアーしかないっしょ〜 DIE WITH ZERO〜」
  3. 雷悶 (2023-03-08(水)19:02)「10年後にはリゾマンを購入している筈っしょ~(言うだけ)」

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