第9回メフィスト賞受賞。
寺や神社や怨霊などなど、京極夏彦の妖怪シリーズにクリソツ。読者が謎解きに頭を悩ませる余地は少なく、一方的に膨大な情報を与えられる点も類似していると思う。
事件よりも百人一首配列の解答の方が凄い。これは何かの資料から引用したのだろうか。是非、高校時代の古典の先生に読ませて感想を聞いてみたい。
★★★☆ 講談社
シリーズ二作目。今作のテーマになるのは七福神。
相変わらず、蘊蓄の量が本家(という表現は作者に失礼だが)の京極堂に迫る勢いだ。
実際の事件の謎解きと、七福神に隠された謎とが平行に進んで行って最後にはキレイに繋がります。そういう意味では前作よりもミステリとして洗練された印象。
★★★★ 講談社
天才高校生の千波君と、浪人生の主人公と、その友達の饗庭慎之介達が事件を解決する短編集。
胡散臭いくらいに法則性に基づいた行動しかとらない人が出てきたりして、かなり開き直った論理パズル小説。
軽妙な一人称の語り口もあり、サクサク読めるのが良い。『誰かがカレーを焦がした』『夏休み、または避暑地の怪』の二編が面白かった。
★★★☆ 講談社
シリーズ第二弾の中編。手違いで変な村に行き着いてしまった三人組が、泊まった旅館で次々に密室に遭遇する。
人が消えたトリックの真相が割とトホホ。このシリーズは短編の方が向いてる気がするなぁ。
★★★ 講談社