酒場の常連、アルジェの忠太郎(通称アル忠、忠さん)は、ある時は自称もと刑事、またある時はもと役者と全く信用出来ない人物だが、酒場の客が持ち込む事件を次々と解決してゆく。
忠さんを中心とした"ちょっとイイ話"的な人情物語。『「殺人事件」殺人事件』『「探偵小説」殺人事件』などとメタミステリなタイトルが付いているが、内容は結構王道をゆく感じで頭を使わせてくれて面白い。
愛すべきキャラクターである忠さんが最後に明かす正体が真実かどうは分からないが、なかなか味のある結末である。
★★★★ 講談社
参号館 読書感想文 都筑道夫