遺伝子技術が進歩した日本を舞台に、「加害者の遺留頭髪をDNA鑑定した結果、その頭髪の持ち主は19年前に死んでいた」、という非常に魅力的な謎に満ちた事件が展開される。
もちろん、実は双子が居たとか捜査陣の勘違いとかではなく、合理的な解決がなされる。
事件と関係無いけど、この作品の時代では、「出生前遺伝子診断」という技術が確立されており、遺伝子的に優れていない子供や、先天的に障害を持った子供の出産を回避することが可能となっている。個人的に素晴らしい技術だと思うのだが、物語中ではそれを利用する人達は完全に悪者にされてしまっていたのが何だか残念。
★★★★ 講談社