第2回メフィスト賞受賞。
1200個の密室で1200人が殺されるという前代未聞の事件に名探偵集団JDC(日本探偵倶楽部)が挑む!
あまりに強烈なアホ結末の為、あちこちで叩かれているが、想像していたよりも割と読みやすくて面白かった。
JDCの探偵はそれぞれ特異な推理能力を備えており、週刊少年漫画のノリに近いものがある。あと名探偵九十九十九の美しさが本当にアホ過ぎて最高。
★★★☆ 講談社
JDCシリーズの長編第2段。様々なミステリ的趣向を凝らした部屋が満載の幻影城で、「芸術家(アーティスト)」による連続殺人事件が起こされる。
すべてのミステリの総決算を謳い、「推理小説構成要素三十項」を制覇するかのごとく、芸術家による芸術殺人が次々と完成していく。連続殺人を止めるべく、JDCからは第1班の「消去推理の貴婦人・霧華舞衣」「JDCの推理袋・龍宮城之介」ら、腕利き名探偵達が次々と派遣される。
アホな駄洒落を凝らしたアナグラムの頻出には、より拍車がかかっており、やり過ぎ感すら漂う。最後はダミーの解決の連続でかなりゲンナリしてくるが、それぞれの密室の謎など、なかなか面白いと思う。真犯人には「おいおい!」と思ったものの、前作『コズミック』を読み返してみると、なるほどそういった解釈も出来るなぁ、と思わされてしまった。会話に☆や♪が登場しまくりなので、少々ウザったい。
★★★★ 講談社
最初に断っておくが、僕はこの作品をゴミだと思っている。う●こ以下である。ミステリ好きな人は多分この本を回避した方が良いし、JDCシリーズのちょっとおバカなノリが好き!という人も読まない方が良いと思う。我こそは地雷本蒐集家!と謳う人も、やっぱり読まないほうが良い。
物語のあらすじはこうである。世紀末の世界で「犯罪オリンピック」が開幕する。世界的名所を舞台に毎週必ず起こされるビリオン・キラーによる大事件を阻止すべく世界の名探偵達は行動するが、無力にも事件は次々と起こり続ける。SF的展開を混ぜながら、混沌とした物語は終焉を迎え、やがて人類史を覆す真犯人が明らかになる・・・。
まず、世界名所で事件が起きるまでが長過ぎる。旅行ガイドブックから拝借したような観光案内文がダラダラと数十ページ続く。うんざりしてくる。こんな事件が延々続いた後、中盤以降は、もの凄い悪の組織連合まで登場するが、もうこの頃には読者の興味は失せていて、早く物語りを完結してくれという感じである。
僕の読んだ文庫版では、あろうことか作者は袋とじになったページでこの作品を斜め読みする奴は悪い読者(ネタバレ?)的な理論を展開し始める。もう無茶苦茶である。情けなさのあまり泣けてくる。
それでも読むぜー!という人は覚悟を持って臨みましょう。めくるめく読書体験が待っています・・・。
☆ 講談社