シリーズの時系列中で、一番古いエピソード。
家に帰ると、見知らぬ女性の死体があった浜口美緒は、友人のタックらに死体を捨てて来るよう依頼する。で、そこから大事件に、という話。
西澤作品らしい、突飛な論理展開による推理が面白い。相変わらず、酒と下ネタが多いね。
★★★☆ 角川書店
迷い込んだ山荘に残された96本のエビスビール、ベッド、13個の冷えたジョッキという情報から考え出される可能性をひたすら主人公達が検討していく安楽椅子探偵小説。
新しい仮説が出てくるたびに、「真相はこれしかない!」と思わせてくれる。読者も一緒に考えた気分になれて楽しい。文のタッチも軽くて読みやすい。
酒とは切っても切れない本シリーズの中でも、特に飲みまくっている話だ。
★★★★ 講談社
バラバラ殺人のみを集めた短編集。別々の事件が、最後に意外な繋がりを見せる。
推理劇『スライド殺人事件』は、"なぜ犯人は被害者の首を切断し持ち去ったのか"という謎に対して、なるほどと思わせる説明を付ける秀作。
★★★★ 講談社
何もしなくても事件を解決してしまう(説明しにくいけど、読めば分かる)探偵が主役の連作形式の長編ミステリ。
設定も良いし、最後に小さな事件がそれぞれ繋がってひとつの大きな事件に収束していくのは圧巻なんだけど、登場人物の名前が覚えにく過ぎ。そのせいもあってか、余り印象に残らなかった・・・。
★★★☆ 講談社
"人格が入れ替わってしまう装置"を物語の中心に置いた物語。SFチックな設定だけど、説明が巧みで無理がない。
登場人物の名前がカタカナばかりだけど、キャラの個性がハッキリしてるので覚えにくいというほどでもない。めまぐるしいスピード感あふれる展開と、意外なラスト。これはおすすめ。
★★★★★ 講談社
"1日が9回繰り返してしまう"体質を持つ主人公が、祖父が殺されてしまう事件を、その体質で何とか回避しようと試みるSFミステリー。相変わらず設定からして面白い。
氏の書くSFミステリーで良いところは、核となる現象や能力が決して万能ではなく、様々な制約や条件が付加される点と思う。本作は、その非万能性が特に良く活かされていて、何度も何度も試行錯誤を重ねる主人公につい感情移入しながら読んでしまう。ラストにも、あっと驚く仕掛けがある(鋭い人なら気付いてしまうのかもしれない)。とにかくおすすめ、夢中で読めます。
★★★★★ 講談社
作者お得意のSFミステリー。タイトル通り、蘇った死者達のいる屋敷が登場する。
登場人物の名前が覚えにくくて苦戦した。あと、せっかくの設定も活かし切れていない気がする。でも時間に関するトリックにはやられた!
★★★ 講談社
正直、読んでてちょっと辛かった。登場人物が品が無さ過ぎるうえに、下ネタが痛くて笑えない。
ラストで明かす謎も、結局そうだったから何か影響があるのかという印象しか持てなかった。この人の作品には外れが無いと思ってたんだけどなぁ。
★★ 講談社
トリプル交換殺人をメインに置いた本格推理。話としては好きだが、メイントリックはあまりにもバレバレ。正直、このトリックは短編にでも使えば良かったのではないかなぁと思った。
★★★☆ 講談社