目が覚めると「僕」は、「篠井有一」から知らない女になっていた。しかし、「僕」以外の「篠井有一」が存在していることを知り、「僕」は自分が誰なのか分からなくなってしまう。
結末は「そんなんあるか!」という話ではあるが、物語中ではどんどん新たな事実が出て来て結構飽きずに読める。
この手の入れ替わりモノと言えば、"女になってしまった男が自分の女になってしまった加減を確認する行為"がいかにハァハァできるかが結構重要であるが、その点この作品は合格である。
★★★☆ 新潮社
参号館 読書感想文 北川歩実