1989年度吉川英治文学新人賞受賞。殺人事件ではなく、誘拐事件を主眼に置いた話。物語の展開が早く、犯人と警察の駆け引きが面白い。
現代で使っても通用しそうな斬新な誘拐方法がイカス。非常におすすめ。
★★★★★ 徳間書店
これは凄く面白かった。特に、中盤以降は続きが気になって読むのが止まらない。
ヴァーチャル空間を舞台にしたゲームの原作者となった主人公の青年が、とてつもなくデカい事件に巻き込まれていく。
ミステリと言うよりは、サスペンス調に比重を置いた作品。平成元年の作品とは思えないほど、先鋭的で色褪せない設定。買って損無し!!
★★★★★ 新潮社
6編から成る短編が連作形式で一つの物語を形成していく話。
次々に興信所を謎の女が訪れ、依頼された奇妙な依頼をそれぞれの探偵が解決していくうちに、やがて大きな一つの事件へと繋がっていく。
テンポ良く読めて、話ごとに視点が変われば変わるほどに、背景の大きさが窺えてかなり面白い。
★★★★ 講談社
タイトルどおり、すごく短い話を読んで謎が提示されて、その次のページから解答が提示されるという、15篇から成る短編集。
問題も王道なものから、ちょっとヒネたものまで、バラエティに富んでおり楽しく読める。オレは全然当てれなかったけど・・・。
★★★ 講談社
酔っ払い同士の喧嘩の末の死亡事故を発端に、事件性の無さそうな偶発的な事故数件の裏に隠された真相に迫る、捜査第0課の面々の活躍が描かれる。
この0課の連中が曲者揃いで、面白い。犯人を追い詰めるシーンも痛快。
★★★☆ 講談社
秋川学園付属中で起こった生徒の殺人事件。作家・近内は、非行の兆候を窺える自分の息子・省吾に疑念を抱く。省吾の学園で行われている『チョコレートゲーム』とは何なのか・・・?
『チョコレートゲーム』の正体は序盤から巧く伏線が張られており、なるほどなぁと。ここまで極端ではないにしろ、僕の中学生時代も似たようなことは日常的に行われており、非常に社会的なテーマ性を持った作品であると思う。
最後には、様々な形での親子愛というものが描かれる。父親にもそれぞれ正義というものがあるのだと考えさせられてしまった。
★★★★ 講談社
6編収録の短編集。残されたフィルムデータから殺人の真相に迫る『記録された殺人』と、なかなか届かなかった年賀状から、無修正ビデオ業者に仕立て上げられてしまったことに気付く主人公が四苦八苦する『遅れて来た年賀状』の2つがなかなか面白かった。
★★★ 講談社
6編収録の短編集。どの作品も、長さも適度で面白い。
特に良かったのは、ビルの屋上で自主制作映画撮影中に出演者の大学生がレモンパイをぶつけられ(お笑い番組であるようなやつだろう)、その後何故か笑顔で飛び降りてしまった事件の謎を解く『危険がレモンパイ』だ。現象だけ見るととても奇妙だが、最後まで読んで「なるほどなぁ」と納得出来る。とても印象に残った。
★★★★ 講談社